ひとりごと
面白い(?)話がここに集結!!
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2010/01/08(金) あとがき
桃太郎のスピンオフです。


テーマは、見たまま聞いたままが真実とは限らない!!です。


鬼なんてものを信じるつもりはないんだけど、ホントにいたら何で今いないんだろう??って考えると、こんな結末になりました。


感想は…あえて言わないでください。

これはただの自己満足ですから!!(笑)


ちなみに、2009年12月分にカンボジア日記続々更新中です。











…………あけましておめでとうござい…ました。

良い1年を☆

2010/01/07(木) 桃太郎の真実 6
犬、猿、雉は桃太郎の心が鬼に目覚めたとき、鬼の心のままで鬼ヶ島にたどり着くように頼まれていたのだと打ち明け、すまないと告げ、去って行きました。





桃太郎は財宝を持って故郷に帰り着きました。

その姿は、鬼の血で赤く染まり、目も腫れ、充血していました。

人々は小鬼が赤鬼になったと恐れ、桃太郎が持ち帰った財宝を奪い合い、桃太郎は牢獄に入れられてしまいました。






桃太郎は牢獄の中で1つの物語を作りました。









昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがいました。


ある日、お爺さんは芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。


すると、川上から大きな桃が流れてきました。


お婆さんは桃を持ち帰り、桃を割ってみると、中から元気な赤ん坊が飛び出してきました。


桃太郎と名付けられた赤ん坊はスクスクと育ち、お爺さんとお婆さんに見送られ、鬼退治に出発しました。


その途中で犬、猿、雉と出会いました。

『桃太郎さん桃太郎さんお腰につけたきびだんご、ひとつ私にくださいな。』


桃太郎は犬、猿、雉にきびだんごを与え、一緒に鬼退治に行くことをお願いしました。


桃太郎たちは鬼ヶ島へたどり着きました。


えぃ、やぁ、とぉ。
桃太郎たちの攻撃に鬼たちはひとたまりもありません。


鬼たちを懲らしめ、桃太郎は財宝を持って帰りました。


人々は喜び、みなで笑いあいました。


めでたしめでたし。
























それは幸せな、とても幸せな物語…。

































桃太郎の死後、その物語は語り継がれ人々の心から鬼はその存在を消していきました。









…………終わり。

2010/01/06(水) 桃太郎の真実 5
『桃太郎…。本当にごめんなさい。


しかし、私たちがあなたを老夫婦に預けたのは理由があるのです。


あなたには使命があるのです。』



『……。』


『心に鬼を宿すのです。そして、その心に従うのです。』



『鬼の心…!?何を言っている!?』



『あなたには人間のままでいてほしかった。
しかし、あなたの半分は鬼の血…

こんな残酷な運命を背おわせて、
何とお詫びをしたらいいのか…。
こんな父と母を許しておくれ……。』


そう言うと女性は泣き崩れてしまいました。



『どういうことだ!?使命??使命とは何だ!?答えろ!!鬼!!』



『…先ほども言ったとおり、私は人の心を手に入れました。
しかし、姿は見ての通り鬼のそれでしかありません。


完全な人にはなれなかったのです…。


私たちはこの姿でもできることはあると思い立ち、人に会いに行きました。


…人の心に鬼が生まれるのは私たち鬼という存在が関わっているのでしょう。


人の心に生まれた鬼を消そうとしても、また新しい鬼の心を生み、人を救うことさえできませんでした。


私たちは…もうこの世に存在してはいけないのです。


しかし、鬼というのは、鬼でなければその存在を消すことができません。

私たちは人の心を手に入れたため、鬼ではなくなってしまったのです。


もし私たちに鬼が存在し、存在を消してもらっても、鬼の姿をした鬼は存在し続けてしまいます。


そして鬼の姿をした鬼が存在し続ければ、人の心に生まれた鬼も存在し続けてしまいます。


桃太郎。君の体に流れる血の半分は鬼の血です。
君の心に鬼が目覚めれば、混血ではあっても鬼となり、
私たちの存在を消すことができます。


そして、君は人の姿を持っています。その姿ならば、
人として、
他人の心に人の心を残したままで鬼の心を消すこともできるでしょう。


私の存在を消し、鬼の存在をこの世から消してください。


君は鬼の存在を消すという使命を持っているのです。


私をこの世から消して下さい。』





















……………






























桃太郎は大粒の涙を流しました。


それはとても綺麗な涙でした。

2010/01/05(火) 桃太郎の真実 4
『でたらめを言うな!!では何故人々を殺した!!お前が鬼だからだろう!!』


『いいえ、彼らの心は鬼となっていたのです。人はその形は変わらずとも、心が鬼となるのです。今の君のように。

私はその心の中の鬼を消したにすぎません。

彼らには人の心が残っていなかったために、肉体まで死滅してしまったのです。』


『ふざけるな…!!
財宝は…財宝は何故奪った!?鬼の本性が出たのだろう!!
デタラメで誤魔化すとは、何が人の心だ!!』


『桃太郎。君をここに呼ぶためです。


正義感の強い君ならば、鬼への復讐をする事はなくとも、奪われた財宝を取り返すため、必ず鬼ヶ島に来ると確信を持っていました。


そのような人間に育てるようにお願いしましたから。


お二人の死は残念でした。何とお礼を言っていいものか…。』


『何故祖父母を知ってる!?育てるようにお願いした…!?』



『そうです。私たちがお二人にお願いしました。
あなたが産まれ、桃の器に入れ川上から流す。その子を強く、正義感を持った人に大切に育てるようにと。』



『俺が産まれた時を知っているのか!?まさか…祖父母が死ぬ原因を作ったのも、父と母を殺したのもお前なのか!!』


『いいえ。
確かに君が産まれた時、私はそこにいました。しかし君の両親は生きています。』



『では何故姿を見せない!?それはこの世にいないからであろう!!』



『桃太郎…あなたはもうすでに父と会話をしているのですよ。』



『なんだと…!?』


『私たちがあなたの父と母なのですよ。桃太郎。』



『何を言っている!?
俺の父が鬼だと…!!それであなたが母…!!

そんな話がしんじられるか!!』



『私は彼の人の心に触れ、彼を愛しました。あなたを産んだ時の感動は忘れもしません。


あなたが老夫婦に拾われ、心穏やかに力強く成長する様子を影ながら見守ってきました。


両親がいないからとイジメられていたとき…


剣術で国一番の使い手と認められたとき…


老夫婦に隠れて両親を探そうとしていたこと…


老夫婦が亡くなった時に泣き崩れたこと…

あなたが泣き、笑うと同時に、私たちもあなたと一緒に泣いたり笑ったしていたのです。

私たちはあなたのことを忘れたことはありませんよ。』


『そんな…。そんなこと…。

何故姿を見せなかった!?
イジメられ、寂しさかった…』

2010/01/04(月) 桃太郎の真実 3
『頼む。後生だ。』


『…桃太郎だ。冥土の土産に持っていけ。
死んでからも後悔し続けろ!!』


『桃太郎…!!お前が…!?そうだったのか………』

鬼は涙を流しながらその存在を消しました。



桃太郎は鬼が造ったであろう建物の本堂にたどり着きました。


中には王と思われる鬼、着物を着た若い女性が並んで座っていました。


『その女性から離れろ!!邪悪な鬼め!!』



桃太郎は刀を抜き、威圧します。










『ここまで来てしまったんですね…桃太郎。』

若い女性が悲しそうに口を開きました。


『早く離れろ!!隣に鬼がいるんだぞ!!

………


なぜ、名前を……??』




『私が名付けたからですよ。やはり、鬼になってしまったのですね。』




『どういう事だ!?答えろ!!汚い鬼め!!』





『桃太郎…。私はすでに鬼ではありません。』


『何!?その姿で鬼ではないだと!!ふざけるな!!』

『私は人間になりたかったのです。心を学び、心を鍛え、私は人間の心を手に入れました。

彼女たちをここに招待したのも、心を学ぶ為なのです。』

2010/01/03(日) 桃太郎の真実 2
桃太郎はこの世の中を恨みました。

『何故こんな世の中になった…??鬼が事件を起こしてからだ…。』














こんな世の中にした鬼を許さない。

この世から消してやる。













桃太郎は鬼を退治するため、鬼ヶ島に向け出発しました。



その途中、犬、猿、雉に出会いました


桃太郎は鬼がどれほど残忍で、愚かな生物なのか、
その鬼のせいでお爺さんとお婆さんが死んだことを恨みを移すように伝えました。



犬、猿、雉はそんな桃太郎を見て、共に鬼退治に行く事を了承してくれました。



その途中途中でも、桃太郎は鬼に対する怒りを犬、猿、雉に話しました。

桃太郎の鬼に対する恨みや怒りは日に日に大きな闇になっていきました。



犬、猿、雉はそれを黙って聞いていました。






旅を始めてから1ヶ月、桃太たちは鬼ヶ島にたどり着きました。



ゴツゴツした岩の固まりのような島に木造の建物が建ち、架かっている橋は濁流を避ける唯一の通り道でした。



渡り鳥が島の周りでクー、クーと鳴きながら飛び回り、空も晴れていましたが、
島一帯に不気味な静けさが漂っていました。


『あれが鬼ヶ島か。みんな準備は良いか??』




『ほんとに行くのか??辛い戦いになるぞ…??』


犬は悲しそうに言います。


『行くさ。俺はあいつ等を絶対許さない。必ずこの世から消してやる。』




犬、猿、雉は深くうなづき、桃太郎たちは鬼ヶ島に踏み込みました。



橋を渡り、隠れることもなく島を進み、鬼が造ったであろう建物の住居地区と思われるところに着きました。


そこには人間の身の丈の2倍はあると思われる鬼が多く暮らしていました。




『鬼ども!!祖父母の仇だ!!その存在を消してやる!!』


桃太郎は怒りで我を失ったように鬼に向かっていきました。



桃太郎は鬼を見つけると、背後からでも容赦なく斬りつけ、鬼という存在を消していきました。



小鬼の異名を持つ桃太郎の力は凄まじく、
その勢いに背中を押されてか、犬、猿、雉も全力で戦い、戦況は目に見えて桃太郎たちが勝っていました。



鬼たちは桃太郎の力に驚き、背中を見せ逃げるわけでもなく、目立った抵抗もせずその命を消していきました。


『お前の名前は何という??』


倒れた鬼がかすれた声で聞きました。


『答える理由などない!!』

2010/01/02(土) 桃太郎の真実 1
昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。


ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。

お婆さんが洗濯をしていると、
川上からドンブラコドンブラコと大きな桃が流れてきました。


桃を拾ったお婆さんは、大層喜んで家に持って帰りました。


その夜、桃を見たお爺さんは、大いに喜びました。

お爺さんは期待を胸に桃を割りました。


するとどうでしょう。


桃の中から元気な赤ん坊が出てくるではありませんか。


子供と住んでいなかったお爺さんとお婆さんは、その子を桃から産まれた桃太郎と名付け大切に育てました。


桃太郎の成長は早く、すぐにお爺さんとお婆さんの手伝いをするようになりました。


『桃太郎や、いつもありがとうね。』


『ううん。ボクはおじいちゃんとおばあちゃんの力になりたいんだ!!』


3人はとても幸せそうな笑顔で笑いました。



それからも桃太郎はすくすくと育ち、勉学もさながら、
武術や剣術に飛び抜けた才能を見せ、『小鬼』と呼ばれるほどの実力を持っていました。

この頃になると、父と母がいないからとイジメを受けることもなくなり、友達と遊ぶことも多くなりました。




その頃鬼の手によって、財宝、若い女はさらわれ、人々は殺されるという事件が多発し、
噂の手助けもあって世の中は鬼の恐怖が広がりに広がり、誰も手出しが出せずにいました。


鬼の恐怖からか、日頃たまっていたものが爆発してしまったのか…世の中は荒れました。


強盗、殺人、飢餓が襲いかかってきました。







そんなある日、お爺さんが辻切りにあい亡くなりました。
その数日後、お爺さんの後を追うようにお婆さんも亡くなりました。


お婆さんは亡くなる前にこう言いました。


『桃太郎…こんな時代に産まれた事が不憫でならないよ。

みんな鬼が恐かったんだね…


お前をこんな時代に産まれさせてしまってごめんね………


お願い………


この世の中…を……

……





桃太郎は位牌に向かい、泣きながらお礼を言いました。



何度も…何度も…。



泣きながら、



何度も、何度も…。








葬式はあげませんでした。今まで育ててくれたお爺さんとお婆さんに別れを告げるのは辛かったのです。


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