修行のようす?
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2006/10/22(日) 野焼きの香に秋の深まりを感じつつ
だらしなく惰眠をむさぼっているとカッパさんに揺り起こされた。


今日は舅の誕生日だから。


嫁なのだから行くのは当然だろうって詰め寄ってくる。
入院中の義父のもとまで片道1時間半のお見舞いだ。
行くだけで半日は潰れる。

もちろん、行くつもりで、先週末に姑とは話をしたし
それとなくケーキの催促を受けたように記憶しているので、買うケーキも決めてある。

だけど、素直に行くって言ってやらない。

『嫁だから』って強制されるのはうんざりだし。
私は人として行くんだもん。
どんなに嫌いな人でも、私の子どもたちのおじいちゃんだし。


行く支度をしながら、娘が行きたくないとぼやくのを聞く。
ちょっとムカッとしたので

「あなた、血のつながりのあるおじいちゃまじゃないの!」

とその関係性を強調してあげたら

『血のつながりがあるっていうのが嫌なんっ。おじいちゃん変やし、きついもん。』

「あら、そうね・・・それはお気の毒に。
 これまで色々いじめられてきたけど、私は血のつながりがないだけマシだったのね。あー良かった。」

『ちっ!』

「お下品!やっぱり血?」

『・・・・・・(怒)』


ま、こんな感じでテンションを盛り上げつつ出かけた。


むっとすることに、運転は私だ。
カッパは横でPCのキーをたたきながら、山間部ではピッチが繋がらないので
データの更新が出来ないとぶつぶつ文句を言っている。
12月になったらauのでつなぐようにしたんねんっ・・・って誰も聞いてないのに喋り続けるから
お口が臭いからこれを噛めとレモンのタブレットとガムと口臭予防グミを大量に投げつけてやった。




久々に会った舅は入れ歯を入れるのを嫌がったために、
口元がしわしわの梅干爺さんに変身していた。

もう、私たちのことは覚えていないが、姑だけははっきりと覚えていて
彼女の腕をつかんで、私の妻だと職員さんに紹介を始めた。
どうも、今日は機嫌がいいらしい。

それからうちの次男ちゃん(4)に向き直り、手を伸ばして
おいでおいでとニコニコしながら愛想を振りまいた。

不思議なことに、新しく生まれた次男ちゃんのことは覚えているのだ。

不思議よね、と私が言えば

『アニマルセラピーやろっ』

と、カッパが答えたので蹴りつけてやった。
うちの次男ちゃんはアニマルじゃない!!!

さすがに大きなケーキを面会室で広げることも出来ないので
買ってきたショートケーキを並べてハッピーバースデーを歌って祝った。

歌っている間も、歌い終わって食べている間も
おじいちゃんはニコニコとずーっと次男ちゃんを見つめていた。

その後で、許可をもらって散歩に出た。
車椅子から降りない舅に、カッパさんが

『お父さん、歩けないの?足が痛いの?』

と声をかけてみるが、歩けるけど歩かないと車椅子にしがみつく。
その横をちょこちょこと次男ちゃんがついて歩いて・・・
祖父ちゃんがまたじっとそれを見つめていた。よほど可愛いらしい。

爽やかに、ほどほどに晴れて、時期的にも良い気候のころなので
秋の花が、野生のものも手入れされたものもたくさん咲いていて、目的のない散歩にはもってこいだ。

しばらく行くと、病院の隣の畑でおばあさんが野焼きをしていた

初めて真直に野焼きを見た次男ちゃんが釘付けになる。
その様子に気がついたおばあさんが振り返り

『煙がいってごめんねぇ』

とにっこりと声をかけてきた。



のどかだ。


記憶をなくした舅の心のように、
流れる時間だけをただあるままに受け止める。


今日はそういう休日になった。


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