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2006/11/30(木)
母親になって読む「トーマの心臓」
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風邪が治りきらないのは、こまごまと抜けられない用事があるからだと思うけれど 大人になると、どれだけ体がきつくてもこなさなくてはならない事情があるから それはそれで仕方がない。
それだのに、そのようなときに・・・はまってどうする!!
先だって、黒えびすさん(http://bebisu.exblog.jp/)が引越しの忙しい中 整理するから処分する代わりにと、こちらが受け取りやすい文面のお手紙を添えて 萩尾望都の本を数冊送って下さった。(ありがとう黒様)
それは普通のコミックでなくて、保存伴ともいえるハードカバーのもので 感激して・・・それから、受験前の娘にみつからないようにと隠した。
隠したけれど・・・読みたい。 いったい、何が入ってるのかな?こそこそ・・・
お、おおおおお!!!! これは懐かしい・・・「トーマの心臓」だ。 (トーマの心臓をぐぐると http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AE%E5%BF%83%E8%87%93)
思わず読んでしまった。 んで・・・毎晩。何度も読み返してしまう。
で、読むたびに泣いてしまうのだ。
いま、飛んじゃうわけに行かないのに、この本は泣かしてくれるから ごほごほと咳き込みながら、ずびーっ、ずびーと鼻涙をぬぐう。
母親になってみれば、どう読み進めてもトーマの死が重過ぎて、 かわいそうでかわいそうで仕方がない。
テーマともいえる『心の死』と『生命の死』に対して 若い性急な回答がもたらした起爆剤的な自殺によって 自分の好きな人の記憶に生きることに決めちゃった選択が 物語としてでも受け止めるのには悲しすぎですぜっ。
どう転んでも このような甘美な哀調には生きそうもないわが息子殿を眺めてほっとしつつ 咳き込んで、鼻をかみながら、洗濯したり、ご飯作ったりしながら 毎晩、こそっと読み返して・・・いったいどうした自分・・・と叱咤しつつも 切ない感動で胸が痛くて・・・
早く忘れて 普段の大阪のおばちゃんにもどりたいって願っちゃうのだった。
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