修行のようす?
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2006/12/08(金) 嫁日和
どんより曇って、嫁業の心象風景のような今日という日
朝からお姑様をお連れして、お舅様の入院先を見舞った。
見舞いといっても、呼び出しがあってのこと。
血尿が出たからということだった。


3日ほど前、婦長さんから連絡があり、今居る老人保健施設では対応できないので
何処か専門機関での受診をしてきてくれ・・・と言われた姑は
例の冷淡ぶりを発揮して

「検査なんてしなくてもいいんじゃない。」

と、放っておいてくれと断ったらしい。
それを聞きつけたカッパさんが、

「お前、一緒に行って話を聞いて来てくれ。」

と依頼してきた。
まあ血尿にも色々ある。私も何度か出したけどただの疲労だった。
相手は老人だし、徘徊してるし、そんな程度だといいな・・・と願いつつ行くことを承諾する。


病院や施設を探したり交渉したりするのはいつも私任せにされる。
アルツハイマーでまだ若年であるのにもかかわらず痴呆が進み、徘徊、異食、糖尿などなど
条件が悪すぎる義父は、困ったことに、なかなか受け入れ先が見つからないのだ。
ここで大病として施設を出されれば、また病院を転々とする日々が待っている。それは嫌だ。


老人を専門にしていながら意外なことのように思われるが、
たいていの老人施設では医療行為が必要な人の受け入れを拒否する。
まあそれだけ、一人ひとりが手間のかかる仕事だから無理は言えない。
見られる人を引き受けるだけでも長蛇の列なんだから。

なのでうちのお舅さまなどは
毎日のインシュリン注射が必要であるというだけで受け入れ幅はグーーと減り
次に家族や収入、年齢で、まだまだ余力があると判断されて必然性が低いとみなされ
特養だったら入所の申し込みを受け付けてもらえても、入所待ちの順位は10年ちかく先だったりする。


施設に着いて、医師の説明を聞いた。
血尿はかなりの塊の血であることから腎臓、膀胱、尿管辺りからと考えるのが妥当らしい。

「一番あやしいのは石ですが・・・」

先生の言葉を聞いて、全く痛みを訴えない義父を見る。
尿道結石であれば相当痛いらしいのに・・・脳の疾患の恐ろしさだとぞっとした。

もう全く痛みがないのだ。

私の視線に気がついた義父がこちらを見てきた。
彼は私を知らないから、遠慮がちに微笑んでくる。
かつてあれほど憎々しげに『これ』って呼んでいたころの面影は全くない。


弱弱しくお腹が空いたと姑のカバンの中身をねだる様子は見ていて痛い。
決して自分はそうはならないと信じている姑の堂々ぶりが羨ましい。

私は老いるのが怖い。
そのように生きることの意味が見えないで怖い。

「ごくろーさん」

そう言って車を降りる姑はご機嫌だった。

検査をしてくれる病院も紹介してもらえることになり
家族の付き添いは必要だけれど、検査先までは施設の車での送迎で
もちろん検査後もまた施設で引き受けてくれるということを確かめられたのだ。

そばに居たくなくても夫婦。

いろんな意味で年をとることが怖いと思う嫁日和だった。


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