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2009/09/24(木)
鉄人28号
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2008年、彼方に高層ビルを望む、東京湾岸の埋立地。 聞こえるのは吹き抜ける風の音か、野犬の遠吠えか。群生する黄色い花が波打つ中で、一人の盲目の老人(池田成志)が遠い日の思い出を歌い上げる。 経済復興を経て、変容した首都の姿も、傍らにうずくまる赤錆びた巨大ロボットの姿も、その目には映らない。 その耳に届くのは彼を追い立てる野犬捕獲人たちの怒声だけであった。 1964年の埋立地。戦後の終焉を告げる国家イヴェント・東京オリンピックの前夜。首都には野犬狩りの嵐が吹き荒れていた。 警察署長の大塚は戦後的なるものの一掃に狂奔。徹底的に狩り出され、収容される野犬、野良犬、無政府主義者、社会主義者、テロリスト、さらには立喰師まで…。野良犬たちに同情を示しつつも、これを支持する敷島博士は「鉄人28号」の調整作業に取り組む。そして、戦後的価値として純粋培養された美少年・金田正太郎は、鉄人の操縦訓練に励んでいた。 そんなある日、東京最後の野犬「有明フェリータ」(雌犬)が捕獲された。テロリスト集団「人狼党」は、野犬収容所の襲撃と奪還を予告。しかし、その真の狙いは別にあった。それは、東京オリンピック阻止計画だ。野犬収容所襲撃は、その計画実行のために必要な正太郎を誘い出すための罠であった。 人狼党のたくらみに巻き込まれた正太郎は謎の女立喰師・ケツネコロッケのお銀と出会い、自由な生き方と自分を愛することを知る。そし て、人狼党の首魁・犬走一直の説く『野良犬の思想』になぜか心揺らぐ。何が正義 で何が悪なのか自問自答する正太郎は、敷島博士から教えられた『正義』が見えな くなり、胸が張り裂けそうな思いに包まれる。 【原作】 横山光輝【脚本・演出】押井守
「鉄腕アトム」と並ぶ、往年の名作マンガ・アニメ「鉄人28号」を舞台化。 一体どう表現するのか・・・公演内容はチェックしていたものの、結局観に行けな かったのですが、先日BSで放送していたので見てみた。
とにかく、冒頭の池田成志さんの歌が良い。 あと、野犬捕獲隊その他で、いつも一緒の載寧龍二さん、永田彬さん、小野健斗さんの3人のコント的な掛け合いが程良い感じで、なかなか面白い。 3人、それぞれ声に特徴があって、喋るタイミングが重なっても分かり易い。 高さ6メートルの鉄人28号、張りぼてかと思っていたら、ちゃんと大きな見せ場として動きます。
原作も、懐かしのアニメ特集や、名場面集でしか知らない私なので、ある意味新鮮で、舞台自体を直視できたように思います。
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