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2006/11/13(月)
星空見上げるヨユーない秋。 前編。
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11月 公園の木々のメイクはまず葉を散らすことから始まって。。最近朝晩はめっきり寒くなっていて。 俺はセットアップのパーカーを羽織ってバイクにまたがった。 いちいちチャリを気にするぐれーならと買ったメット。 アゴヒモなんざしてらんねーから 外してると風になびいて ペチペチ顔に当るのがウザイ。。
その30分前。。 週末というのにトクに予定のない俺はベッドで横になっていた。 ちょいヘビィに組み過ぎたバイトも明日はお休み。。 うとうとしてるところに ユースケからコール。
<おお タツヤ?お前ヒマ? ヒマなら家こいよ。今からサンプリング作業やるから>
、、、このヤロ。疲れて寝てるつーの。だけどサンプリング? そういえば作業とかユースケがいつもどうやっているか見たトキもなかったし おもしろいかも?と俺は思った。
<、、おー 。。んじゃ6時半ぐらいには行くわ、、>
別に意味はなく携帯が切れるのを待ってみる。。 (ふ〜 んじゃ行きまっかー) 週末に部屋で一人ってのもな?明日はウメとの打ち合わせ。12月ライブ前にそれぞれ スキルアップのためクラブでの飛び入りのフリースタイルも順調にこなしていた。
午後6時45分 ユースケ宅
<ういーす。。> ユースケの部屋へ入ると。
初めてみるオトコの人がベースを持って座っていた。
(ん?んん?) 俺が 見たことあるぞ?誰だっけか?と、思い出す前にユースケが紹介してくれる。
<おつかれー、コレ うちのMCタツヤー。んでこっちがHIP SHOTのトール君>
<毎度ォ つーか ユースケ?さんくれろ?>
、、、うお!ビビッた!そうだHIP SHOTの人だ!
トールさんはそうユースケにツッコミ機嫌良さそうに笑顔を見せていた。傍らに持つ赤いベースがサスガに似合う。。
HIP SHOT。。ファンク系2MCミクスチャーバンド。。 活動はN市を中心に全国へ。去年メジャーデビュー果たすも 今年はインディへ戻り 自主レーベルでの活動を再開させる。デビュー曲 セカンドシングルと順調な活動だっただけに 俺には不思議でならない。トールさんはその中心人物の ベーシストだ。バンド系にはうとい俺でもその存在は知っている。ミュージシャンズミュージシャンというか。。
<えーと タツヤ君?まぁ座んなよ?> トールさんはそう言い 俺は促されるがままにベッドに腰掛ける。 つーかよ?なんでユースケの知り合いなんだ?聞いたトキなかったぞ?
それを見越したようにユースケから説明が入る。
<トールさんは俺とオナチューでセンパイになのよ。んでヒデジ君っているだろ?その紹介で、、>
途中トールさんが口を挟む。
<有望なヤバイDJがいるって聞いてぇ。去年ウチのイベでツナギで回してもらったら SEを作ってくれて。>
<あれ 使ってくれてます?>
ユースケがすぐさま反応する。
<先月も使ったぞ。なかなか うん評判もいいね> お世辞かも知れなかったが トールさんはそう答えていた。
トールさんがタバコを取り出しトントンとライターで中身をツメながら続ける。。タバコはKENTメンソールだったのもなんとなく。。
<SEの他に自分の曲があるってんで聴いたらオモシロくて。>
<ありがとうございます@> ユースケが演技っぽく オオゲサに深ブカと頭を下げた。
<それでサンプリングでベース入れるってんでアソビにきたのだよ> ノリ良さそうな人だ、。オトナの余裕というか。。
なるほど そういう経緯か、にしても元(?)プロのプレーヤーに認めさせるとはユースケはマジにスゲんだな。俺も漂う煙に誘われてタバコを取り出す。失礼にもあたるかも?と確認しようとも思ったが まぁいい、、と勝手に火をつける。
<それじゃぁ お願いします> そういうとユースケは ヘッドフォンをし、ターンテーブルにレコードをセットする。マックのモニターを見ながらカチャカチャとサンプリング作業の準備をする。
<あいよ、さっきみたいな感じでいいか?もっとハネる? こんな感じとか。>
赤いSTINGRAYを指で弾くと生音の金属音がする、ファンキーでポップなリフが印象的で 人間の指はこんな動きもできるのかと変な感心をした。
<うん イイですねーそれでお願いします>
ユースケは俺に面識を持たせるためか単に作業の光景を見せたかっただけなのか深意は不明だったが こうやってマジなベースプレイを見れるのはかなり刺激的で。 その後 俺はほとんど二人のやりとりを眺めているだけで、 それでも 充分に得るものがあった。
体全体でベースを弾くトールさんは見るからにホンキでプレイをしていて 一気に<<音楽をやる人>>の空気をかもし出していた。リズムのハネかたもノリの良さもハッキリわかるぐらいで。 それでも何度でも <もっかい いい?>とユースケにお願いしていた。これがプロのクオリティ、。んにゃプロじゃねーのか? まぁ んなコタどうでもよくて。俺はベースプレーヤーを目指さなかったことにホッとし 身が引き締まる思いだった。
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