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2006/12/24(日)
クリスマスケーキ 後編。
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シゲちゃんの待つ席に戻るとテーブルには料理が順番に運ばれていた、そのアト 二人で豪華なディナーを終え。 最後に クリスマスケーキが登場した、といっても食べきれる手の平サイズのものが二つ、キャンドルもあってこの席だけ明かりが消されるというサービスもあった、 明かりが消されると 夜景は更に鮮やかに映え。。 でも 夜景よりガラスに映る自分の顔をボンヤリ眺めてて 小さい頃の記憶を思い出していた、
。。。。<サンタなんていねーよ!ママとパパにウソつかれてんだよ みぃは。>
<そんなことないもん、いるもん!>
今日は お昼間は区内のクリスマスパーティ、公民館に区内の子供達が集まって 歌を歌ったり映画をみたりゲームをしたりするイベント。参加は自由だけど最後に ビニール袋いっぱいのお菓子とケーキが貰えるからってママが言ってたので もちろん参加、ヒー君も一緒、、なんだけど。。今日に限ってまた言い合いになっちゃって。。
<だったらさぁ ショウコ持ってこいよ ショウコ。>
<いいよお。。。ショウコ持ってくるもん。。>
私はもう悔しくて涙がなんとか溢れ出さないようにガマンするのが精一杯だった。ぐす。
<はいはい ヒー君とみぃちゃんケンカしない。ケーキですよぉ〜 仲良く食べましょうね〜>
センセーがそう言うと お皿に乗ったショートケーキとフォークを 並べてくれた。
<はい いただきます。、> 合わせて園児達のいただきますの声が響く、。
私とヒー君は まだケンカの続きで。でもケーキは食べたくって。お互いフォークを持って横に並んだまま 気まずい、、
ヒー君が先に口を出す。
<もういいよ ケーキ食べよ?> 今思えば何がいいよなんだがかね。けどなんかヒー君が言わないと食べちゃいけない気もしてて 持ったフォークでテッペンのイチゴを刺そうとするん、。、だけど うまく刺さらない。。
横を見るとヒー君は上からイチゴを刺してもう口に運び中で。。
<んぐんぐ。みぃ。オマエ ヘタだなぁ> ・・まるで優しくない。
<だって、、だって、、ふぉーくって。。> 私はイチゴがコロンって落ちちゃって、また悲しくなった。 さっきまでの涙が意味を変えて溢れ出し。、。
<泣くなよ!ケーキ食べながら泣いちゃダメなんだぞ!>
ヒー君のこの言葉が今でも妙に残っている。。
ケーキを食べたその後はやっぱりまたサンタの言い合いになって結局ママのお迎えを待つことになった、、半ベソかいてさ。
。。。。そんなことを思い出し、、シゲちゃんは明日も仕事ってことで早めのお開きになった夜だった。
その夜。。私はヒー君に電話をした。 お会計も多少サービスしてもらい、そのお礼も兼ねてだ。 なんとなく昔話をしたいってのもあったんだけどね。
<ヒー君。あのさ 昔ケーキ食べながら泣いちゃいけないって言ってたじゃん?あれどこのセリフ?しかも園児なのに@>
<おお よく覚えてんな、あれはな?俺のオヤジのアニキが 言ってたんだよ。ケーキ食べてるコに泣いてるコはいねーよ?って。粋な人でね。>
<へぇー。それね。あの日、サンタいるいないでケンカした日。 お父さんにも言われたんだぁ。不思議だね。。>
<ははっ それはきっと。ケーキってのはコドモには1等なご馳走で親の願いなんだよ、誕生日でも何でもお祝いにケーキってのは シアワセな気分になって欲しくて用意して、、コドモの笑顔を見たいんだよな?きっとさ。>
<だからコドモは泣てちゃダメってかぁ。。なんかいいね?>
<まぁ 良く意味わからず言ってましたけど俺。>
<アハハ☆ 。。。いつか私達も親になって同じこと言えると。。素敵だよね?>
<うん、それは素敵だや、、もっともオイラはお相手探しからですが。。>
<。。。。。ま 私は将来 素敵な奥さんになってパパには そういうこと言える人選びますよ♪>
<素敵な奥さん はは。素敵なマミーになってくださいな。>
その日はそんな電話だったと、、、思う。。
。。。。数年後
内田美憂 年齢ナイショ 素敵なマミー、みぃって呼ばれてる。今日は家族水いらずで クリスマスホームパーティ。 朝から手作りのケーキ頑張って焼いて。。 茶色で統一されたモダンなリビングをここから見ると どこか実家のリビングに似ているが気がした。 似ているのは家具じゃなくてね。。 さっきまで楽しそうな二人の声が聞こえてて、、あれ静かになったぞ? 気になって2〜3歩移動してみてみると。
テーブルの他の料理には目もくれず、 愛娘 あい が 今懸命にケーキのイチゴと格闘している。。 カチンカチンとフォークがお皿にぶつかる音がして、 イチゴがコロンって、、あはは。
<あい イチゴは上から刺すとうまくいくぞ?ほらぁ。ケーキを食べながら泣いてるコはいないぞ?>
。。。素敵なパパさん♪ Merry Christmas♪
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