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2006/08/27(日)
18歳夏 前編。
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(18歳夏)
いつつけたのかカズミの左耳で指輪みてーなピアスが光っていた。。まだまだ熱い夏 夏休みモナカ。
。。。あれから1年、それなりというかヤバイぐらいでかい想い出が増えた。俺は音楽好きであったけどマイクもとらずカズミとなるべく過ごした。それ以外はまぁ悪いコトをそれなりに経験していくのだけど、、逮捕歴はないぞ?
<。。。そうかよ。ふざけろよ?んじゃ消えてやらあ!>
俺はこれによがしに首にかけていたピアスのチェーンを引きちぎり投げ捨てた。ピアスは夏の終わりとはいえ熱こもるアスファルトにハネすぐに消えた。。
<〜〜いいよ もう!>カズミの悲痛な声が聞こえたが俺は無視してその場を離れた。離れざるを得ないほど怒りは頂点に達していた。今はマトモな話などできないだろうし少し時間をおいて冷静になればなど18のガキにできるわけがなかった。
俺達が背を向けて歩きだしてから待ってたかのように濃い色の雷雲になり捨てられたピアスに容赦ない夕立を降らせた。 まるで全てを消してしまうかのようにな。焼けたコールタールの匂いとずぶ濡れになったキャップと。俺は振り返ることなくその場を立ち去った。
翌日。。。俺はガンガンするアタマとエアコンの切れた熱気の中で目を覚ます。サイテーな気分だ。少しだけ回想して携帯オを見る。メールはない。
。。。いや俺は間違ってねぇ、何度でも繰り返した。
思いやりも相手に意見を聞く気さえなかった。この感覚。 15歳のトキに後輩ちょっとした口論になり、有無を言わさず殴り散らしたことがあった。後悔は少しだけした。だけどケンカを売ってきた後輩の謝罪など耳を貸す気はなかったのをよく覚えている。それで全てがまとまった。押さえつけて殴れば気が済んだ。
今日は日曜だ。昼過ぎからユウスケとライブを観にいく約束をしていた。ユウスケは最近やけに熱心に音楽をマジにやらないか?と誘ってきていて悪い気はしなかったがギターにもマイクを持つもとにもイマイトツ情熱が傾かなかった。かといってスポーツ少年でもないし、チカラは有り余ってたんだと思う。
俺はシャワーを浴びて出かけるまでゆったりと過ごすことにした。再びカズミとのトラブルをボケたアタマで回想する。。 まず こうだろ。こうだろ。こうなるじゃん?。。。えーと。。 。。。あ?ハラたってきた。。だから考えるのをヤメタ。 多分、互いがワガママになってきているとも思う。
原因は単純だ。18の俺は進路を考えなきゃならない。俺は生まれ育った街を出ることにした。そしてカズミは残ることに決めた。そこをどうこう言うつもりはない。問題は軽い俺の発言に マジにもキレず、謝罪も求めず許して歩み寄ろうとしたことだ。 いや 許されることが悪いんじゃない。怒りを理解されず許そうとする態度が気に食わない、。何度考えても同じだった。
親も居ないし俺はリビングでコーヒーを淹れ自分の部屋へ持ち込む、朝っぱらから順番に電話が鳴っていた。
<おお!タツヤ?何?ユウスケとジュンのライブ行くの?俺も誘えよー>
腐れ縁カズヤからだ。持ってたコーヒーをテーブルへ置き首で携帯を押さえながら煙草に火を点けた、
<あー?オマエ デートだろ。日曜。俺も誘われただけだよ> ジュンというのは隣のクラスのバンドやってる同級生だ。仲間ウチではなかったが面識はあった。ユウスケとも仲が良い。
<ち つめちゃいなー。俺もーバンドとかキョウミあんのにー☆> <。。。コロスぞ?> やっぱりカズヤはふざけた。オマエは大人しく中女のカノジョをデートしてろ!
、、、カズヤとの電話を終え。2本目の煙草に手を伸ばす。 付けっ放しのTVでは昨日のプロ野球ニュースがやっていた。
すぐにチャンネルを変えてみる。ち つまんね。なんにもやってねー。また携帯を気にしてみる。やっぱりメールはない。そんな自分も大嫌いだった。クソが。
音楽は好きだった。社会的政治的な批判や人間の内面をエグる音楽にキョウミを持ちギターを手にしたが すぐにHIPHOPに夢中になった。だけど何か足りなかった。今の生の自分をさらけ出すには足りないと思った。もっと太くて 激しくて トキに優しい音楽を知らない。一度に全てを持っているのが人間で自分ならば一度に吐き出すことができてもいいだろう。
。。。そのハナシをユウスケに前にしたらその前にギターのコード覚えろと笑われた。失礼なヤツだ。
そろそろ時間だ、着替えてバイクで駅へ向かう。バイトで買ったスクーター。そろそろメットも買わなきゃな。
<ウース!> <オオー!> ユウスケと待ち合わせの場所で落ち合う。コイツは大の音楽バカでDJだ。俺になにかとちょっかいを出しては音楽の道へ引き込もうとする。
<んで今日は?誰のライブだっけ?>そういやジュン以外知らねーぞ。
<ああ 今日はジュン達の他にミクスチャーイベだからチームが出るんだよ。> チームとはHIPHOPのグループのことだ。 こんな昼間にイベント自体が珍しい。ASIAでの記念イベらしい。
<ふーん。まぁいいべ。行くかぁ>俺はまだ重いままのアタマの他にカラダも重いことにこのトキ初めて気がついた。煙草も昨日から吸いすぎな。
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