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2006/09/10(日)
9月アタマ大雨。番外編。
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。。。PM10 HALF
(今ごろスタジオかなぁ。。) カズミはそんなことを思い小雨の中を家路へ向かっていた。
右手で持った傘の端から雫が一定のリズムでしたっている。 アスファルトに溜まった水たまりに気をとられながら季節の変わり目の雨が疎ましく思えた。
一向に止む気配のない小雨はさっきより少し強くなったように感じる。まるで自分のキモチに拍車をかけるようで。。 かすかに遠くで鳴る雷が夏の終わりをますます感じさせる。
チャラーン、、携帯のメールが鳴る。
慌てて開く、、なんてことないトモダチからのメール。。 途端に肩が重くなる。(ふぅ) そのまま左手で今の自分を悟られないよう 絵文字を駆使して返信をした。 いや どこかで誰かに分かって欲しいと思っていたのかもしれない。けれどそれはきっと送信相手とは関係もなく。、
(リョウカイなり〜★ 私も頑張るぞい^−^>)
この一年こんなトキ、学校でまた会って。ハナシをして。 見透かされたようにプレゼントみたいなメールが届いて。、 きっと届いて。。
携帯の作成画面を表示したまま立ち止まった。 。。。どうすれば伝わるんだろ?
携帯を持ったままのカズミの後ろをバイクが一台、雨から逃げるように排気音とすり抜けいく。
カズミがそれに気がつくことはなかった。
。。。自分の部屋へ戻り着替えたカズミはキーボードの前に 座り電源を入れた。電源を入れて。。また切った。
窓の外はますます雨が強くなっている。携帯作成画面はそのままだった、頭の中が真っ白なままだ。思考回路がうまく働かない。携帯をそのまま床に放り、、またキーボードの電源を入れた。
(あ〜!もう知らない!勝手にしてよ!) 放り投げた携帯はフローリングにあったクッションでバウンドして
ピ ピ ピ 、、ルル、、、携帯がどこかへつながる。。
(え?) カズミは携帯をとってツナガリ先を表示された画面をてみる、
。。。けれど切ることもできなかった。
<。。。?> 何かをコトバにしようとした、けれど声にならなかった。
<。。おおゲンキ?>電話の向こうでいつも、いつも聞いていた声がトーンが優しく聞こえる。目を閉じれば相手の顔が浮かんだ。。ホントはどんな顔で話してるんだろう?今どこからかけているんだろう?。。。今 どんなキモチなんだろう?
、、、声を聴いて 涙が溢れた。。 そうか 私はそうだ。やっぱりそうだったんだ。
目を開くこともできず携帯を持ったままうずくまった。 こみ上げてくる感情と涙声を隠す為 口を押さえうずくまった。
。。電話の向こうの雨音が更に激しく。カズミのキモチに叩きつけ、、
数秒の中でカズミは いっぱいいっぱい伝えたいと思っていたことを思い返しコトバにしようと懸命になったが、、
<それから!>少しぶっきらぼうに。本音で照れ隠すトキにはいつもこうなるのもよく知っている。、、
。。。。<俺!オマエが好きだ!>
(うん) 座り込んだままコトバで答えられないカズミは無意識に頷いていた、、プープープーそして電話が切れた。 もう コールバックもできないんじゃないかと思うぐらいの 切り音がした。
、、、一年前にも聴いたセリフ。あのトキは翌日にライブハウスでたまたま会い。また翌日に学校であってまた仲良くなったけ。。そうか そうなんだ。やっぱり これじゃダメなんだ。
。。そう思うと少しだけキモチが軽くなった。雨音が小さくなった。もう遅いかもしれないとも思った。 それでも伝えたいとホンキで思った。
我喜。在一直。到?
例え住む街が変わってしまっても。今ここで一緒に過ごせるのはキセキみたいなもので。やがて互いの知らない世界は増えていくんだけど、変わらないと思えるものはずっとある。 ずっとずっとココにある、
そして空気で伝えなきゃ伝わらない。。そうアナタに教わったのだから。。
9月上旬 秋 同日。
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