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2006/09/21(木)
SHOW 後編。
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翌日 昼過ぎに目が覚めて。バイクのガス入れついでに 近所の中古CD屋へ行ってみた。公園横にあるこの店は近くに大手CDショップがあるおかげで 新譜がガンガン流れてくる。ネットで買うのが定着した俺も週に一度は足を運ぶことにしていた。
自動ドアを抜けると平日とあってスーツ姿のリーマンがレコードを漁ってたりする。大概ジャズやフュージョンだ。俺にゃ縁ない音楽だな。迷わず、HIPHOPコーナーへと足を運ぶ。
(んー)手持ちもないし、まぁ見るだけでも。つって安いとCD買っちまうんが。。レコードは高いので聴かないことにしていた。 俺はオーディオフリークではない。ユースケは買いまくってっけど あれは。。ビョーキだろう うん。
RBコーナーも覗いてみる。
ナターシャ、、ハイデン。。んー。今イチ。。 あれ??
昨日の。。
服も帽子も違ったが間違いなかった。昨日トップで歌っていた彼女だ。ソウルコーナーでゆっくりしたペースでCDを選んでいた。ふいにコッチに目を向ける。
(気が付くのか?)俺は軽く会釈をした。 つられたように会釈が返ってくる。。
(!) <あー、、昨日の!>気が付いてくれたみたいだ。
<どもども 昨日はお疲れ様でしたー。> 俺は少し嬉しくなって途端に彼女の近くに寄ってみた。 彼女は背は俺のハナぐらい。オトナっぽくも見えるし、タメぐらいにも見える、どうやらノーメイクなのはすぐにわかった。
<すげー良かったっすよ!昨日!>お世辞でなく伝えた。
<ありがとう〜 ライブ良かったですよ?>
よ?ってなんだ(泣) 昨日の自分のステージを思い出してしまった。それでも愛想よく話してくれる彼女にとても魅力を感じた、、なんであんな歌えんだ?
<昨日は すぐ帰らなくちゃいけなくってぇー。別シゴトとライブ カブっちゃって。。>
どうやら彼女はクラブシンガーとしてバイトをしていて。それでトップで衣装もなく。
<けど。。見てましたよ。えーと??>
<0−GKです!>自己紹介がてらカルメなアイサツをした。
<ども!レイナです!RAYでやってます!> 彼女は握手を求めながら 首を少し傾けた。 やたらゲンキのイイ子だ、アッパーっていうのか? 歌のシゴトってのも俺には別世界に思えた。
<うい!タツヤですー ラップしてたりしてます>
<あはは ナニそれー☆> 笑い声が店内に響いた。こんなトコロでジコショーも限界あんべな?
。。。純粋に彼女のライブをまた観たいと思ったし 何より あの声質に惹かれていた、、
そんな思いでケーバンの交換をしたんだ。 これがレイナとの最初の出会いだった。
あの9月アタマから2週間。。空白があってそれはまた別の機会に書くとして、。今はMCとしてどう成り立つかでアタマがいいぱいだ。バックボーンにPUNK HIPHOP。FUNK。 衝動的にマイク持ったまではいいが この先どこへ向かうんだ?音楽への情熱、、と仲間。 しかないぞ? 10年後より10日後。ガキらしくヤンチャな毎日を送ることにナンの疑問もなく。今が全てだと言い切れた10代後半。
悪さにゃとっくにアキアキで目前に社会へ放り出される最後の半年。
俺はキズが癒えないながらも。。それから目をそむけてでも 何か欲しいものがあったんだ。
(番外)
<うお!懐かしい〜グレード4!俺ここでよくやってたんよね〜>
<へーそーなの?> 助手席で彼女がキョウミありげに応える。
<おお。、。なんか今はクラブっぽいけど俺が高校のトキはライブハウスだったんだけどな。パンクハコ。>
<へぇ。。人いっぱいいるね?>
<ホントだ。クラブイベントっぽいな、時代だね〜>
紺色のバンはウシロにベースやセット一式を載せてスタジオへ向かう為 走り去る。
<あ YU−SUKEから電話あってさ?今度HIPHOPのサンプリグで弾いてほしいんだって。ギャラは出るらしい@
クラブで生演奏とかやって欲しいんだってさ。>
それぞれの時代。空気は変わらない。と願いたい。
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