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2009/07/04(土)
映画の日 パキラ
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2回目の「ヱヴァ」を見てきました。
初回で見たときの感動の大部分は、やはり10余年の思い入れに起因していたようです。
庵野自身が今まで(エヴァに限らず)に作り上げてきた物、映像やストーリー、あるいは精神的な部分、果てはパロディに対する姿勢までを見つめなおし、その全てに答えを出せていたように感じられたんで、思わず感極まっちゃったんだな。
作品としては、あえて同じスタートから始めることで、キャラクターの心情変化により物語がどう変化していくのかを描く。「序」を見たときに期待した制作者の意気込みが、予想の斜め上を行く形で表現されていたのには驚かされた。
全てを無かったことにして新作を作るのは容易だけど、今までの作品を踏まえたうえで、物語を再構築するのは難しい。それをやってのけそうな期待を抱かせる展開には力を見せ付けられた。過去の作品を匂わせる場面の挿入や、ややこしい用語を散りばめるのも忘れないファンサービスもニクい。しかも、それらを捨て置いても物語は理解できるし、詰まりそうな所ではキャラクターが丁寧に説明してくれる。なんて優しい作品だろう。
挿入歌のあざとさと年齢制限が無かったこと。これを差し引けば、最高のエンターテインメント映画に仕上がっていた。この評価は変わらない。ただ、まだ物語は途中なんだということをあらためて実感させられた。ミサトやリツコ、冬月、ゲンドウ、マリにカヲルetc。「序」と「破」で描ききれていないキャラクターの意思はまだまだ山済み。これらをどこまで掘り下げられるのか。また、描ききった上でどのようなオチを付けるのか。あと2作に期待したい。
あ、ちなみに個人的な感慨を引いても映画としての出来は変わらず。快楽指数は98点(歴代1位)です。
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