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2011/06/20(月)
ライト&ヘビーノベル週末一気読み 西羅
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京アニが独自に出すというラノベの新レーベルkAスマ文庫。 京アニ信者としては読まないわけにはいくまい。 ってワケでサクッと書評。 ラノベとか滅多に読まないけど、ガチで読んだの、いつ以来かな。あれ?この前「驚愕」読んだっけ?でもここ数年じゃ、本当にそれだけだな。
【中二病でも恋がしたい】 ストレートなラブ※。青春してる感じがいいねえ。 異端者同士がシンパシーを感じて互いに惹かれていく心情描写は、テンプレ的で解り易いけど、なかなか上手に、ラブ※らしくこそばゆく描けて、良いと思う。 ただ話の山場が弱すぎる事=シリーズ化に繋げる為か、回収しないままの伏線を残しすぎな点が、大減点かね。 特に、丹生谷さん関連の話は作品の中核の一つとして、この巻でもっとツッこんでくれないと、消化不良もいいとこだろー。 ただし京アニがアニメ化すれば凄く面白くなると思う。
【夕焼け灯台の秘密】 ヒロインが異質な世界に迷い込んで翻弄される過程は良い。先の読めない展開で、上手くミステリー&サスペンスを盛り上げてくれるが、事の真相が明かされると超ガッカリ。 真相に繋がる伏線が殆ど無く、あまりに唐突な展開。 この作品に限らず度々思うのだが、SF的な展開を入れるなら、ある程度物語の背景をきちんと描いて(あるいは上手く誤魔化して)、説得力を持たせて欲しい。 中途半端なSF設定の挿入は、物語を安っぽくするだけということが解らんのですか、まどマギの虚淵先生も。 まあ、京アニがアニメ化すれば(以下省力)
【狙うて候〜銃豪 村田経芳の生涯】 明治日本国初の正式国産小銃「村田式小銃」を開発した、村田経芳の生涯を描いた、長編歴史物語。 全然ライトな小説じゃないけど、この週末に一気読みした本の中じゃ一番面白かったんで。
所謂、明治維新を背景にした作品だが政治的な要素は少なく、日本の技術開発史と国産小銃誕生までのプロジェクトX的な逸話で占められてる。 武士でありながら銃に魅せられ、ひたすら西洋に負けない国産銃の開発に執念を燃やす村田のガンマニアぶりが面白い。 村田は鳥羽伏見の戦いや西南戦争など、政府軍側の指揮官として実戦でも活躍するのだが、政治的な行く末を気にするよりも、銃の開発という己が使命の為に、戦争の様子を冷静に分析し続ける。 技術開発に必要なのは、良くも悪くも徹底した合理性で、この合理性は従来の武家社会には相容れず、逆に近代化した日本でこそ受け入れられるものであった、としたこの作者の明治維新のきり方は興味深い。
銃マニアも歴史ファンも楽しめる小説。 京アニがアニメ化するのは無理だろうけど、村田のキャラに焦点をあてて映画化やドラマ化すれば面白いと思う。 政治的な視点に染まりすぎた、昨今流行の明治維新ものへの変化球としても、是非やって欲しい。
あれ、ラノベの書評のはずが、何か関係無い方向で長々と語ってしまった。 だって、最後の本に比べて、あんま描くことないんだもん。 まあまあ面白かったけど、京アニから出すならもう少し頑張ってくれると思ってだけに、残念無念。 まあ京アニがアニメ化すれば、面白いんだろけどね。
パキラ氏へ、金沢行き、準備してましたが、日曜は抜けられない用事が入ってしまいました(農作業じゃ無いけど)。 御免。
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