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2012/05/09(水)
閉ざされたアカデミズムR パキラ
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影丸譲也が亡くなっていたと聞いた。息を引き取ったのは先月のことらしい。
ひと繋ぎの原稿が手元にある。私はマンガが好きだ。だから、原画を見られる機会は出来る限り逃さないように心がけている。描線、ネーム、修正跡など、原画の持つ情報量は計り知れず、描いた当時の作家を心境を垣間見ることが出来るからだ。
これは、とても貴重な資料だ。16、7の少年が一生懸命描き上げた魂の結晶だ。だから手に入れた当初、独り眺めてほくそ笑んでいるのも能がないので、ためしに某ミュージアムに貸し出しを申し出てみたことがあった。結果は推して知るべし。ほとんど興味も示さず、片手間に応対されてしまった。
大上段に振りかぶって、マンガを研究しています≠ネんて嘯いている大のオトナたちが、である。残念ながら、彼らにとっては影丸譲也など、その程度の評価だったのだろう。
貸本から週刊誌へ、マンガブームの黎明期を牽引した作家が、また一人逝ってしまった。
久保本稔さん、ご冥福を祈ります。
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