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2007/11/01(木)
中日の日本一に思う
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あれは忘れもしない、05年の正月のこと。 悪友たちと訪れた、和歌山・太地町の落合記念館の玄関に、いきなり落合 監督は居た。 「はい、いらっしゃーい」 小さな机にヒジをかけながら、あの涼しい顔でカレンダーを配っていたのだ。
この時は、ちょうどウッズが横浜から中日への移籍を決めたばかりだった。それに ついて地方新聞の整理記者Hが話を振ってみると、 「複数年契約のヘタな球団は優勝できない」と答えが返ってきた。 監督の言葉どおり、ベイスターズはそれから3シーズン、優勝を逃している。
中日の日本一は、ウッズとの複数年契約に限らず、そこにいる人やモノ・制度を フルに活用した結果のように思える。
オリックスを追い出されたノリを、育成選手枠で拾った件。 シーズン2位にもかかわらず、日本シリーズに駒を進めた件。 そして、山井を代えて岩瀬につないだ件。
育成=お試しのようなものだから、クライマックス・シリーズがあるから、守護神が いるから…使わないで後悔するよりも、使ってみて悪い結果が出た方が、まだ諦めが つく。制度の不備が明るみになっても、それはこっちのせいじゃない。セコいのは 「1番ヨシノブ、抑えに上原」でも最後の最後に勝てない、あの詰めの甘い球団も 一緒だ。
落合監督はその身をもって、今の日本球界が抱える矛盾を暴きだした。 それでも来年の正月には、何ごともなかったかのように落合記念館で休んでいる だろう。もし会うことができても「どうして山井を代えたのか」などとヤボな 質問をしてはいけない。 「同じ"アジアのホームラン王"でも、スンヨプとウッズの何が違うんですかね?」 ぐらいのちょっとマニアックな質問なら、にこやかに応えてくれるだろう。
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