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2005/11/10(木)
ice(アイス)
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ice。 そこは、雪に閉ざされた、極寒の国だった。 人々は、地下を堀進め、地中で暮らしていた。
ある旅人がその国に辿りついた。 南国のわがまま王の一言「iceの氷を使ったアイスが食べたい」という命令により。
まず、どうやって氷を溶かさずに持って帰るか考えた。
iceでは、機械は氷つくため使えない。
大きい流氷を船で引っ張っていき、少し暖かくなった所で冷蔵機能のついた車で運ぶ事にした。
とはいえ、まず、氷の成分が安全かどうかを調べるため、仲間を船に残し、一人調査にやってきた。
これで、毒でも混じっていたら、王暗殺計画でも立ててやろうか? とぶっそうな事を考えつつ、地下への入り口であるカマクラへ進んだ。
iceは、とても友好的な国である。
インターネットを通じていろんな情報も持っている。
しかし、極寒の地であるため、直接の訪問者はほとんどない。
「やっほー!門番さん元気?」 普通に声をかけても、びっくりされる。
「あやー。めずらしいね。直接人が来るとは、なんぞ重要任務かえ?」
インターネットを通すとどうしても情報が漏れる可能性があるため、 超秘密事項は文武ともにひいでた使者が送られた。
確に極秘事項ではある。 「王のわがままで」何て言えるはずがない。
「iceとの交友を深める為と氷の調査に参りました。」 と真面目な顔で言う。
体面を整える事も、国際社会では必要なこと。
「そうですか、ここまで、大変でしたでしょ。ま、お茶でも一杯」 「わしゃ産まれも育ちもこの国でしてね・・・雪かきが大変でね・・・ 娘が一人おりまして・・・」30分程、苦労話を、 へー、はー、ほーと聞いてから、申し訳なさそうに切り出した。 「あのー、門番さん。女王陛下にとりついで頂きたいのですが」
「あー、そうじゃった。そうじゃった」 と近くに置いてある電話をかけた。
「なんか、急ぎの用でしたのかいな?女王様に叱られましたわ」 受話器を置いてそう言うと、部屋の奥の方にある地下への床の扉を開けた。
「すべり台直線コースです。5分もすれば、地下の国に着きますだ。 このバッチを着けて降りてくだせぇ。 人に宮殿の方向を聞けば教えてくれます」
と手渡されたバッチには、門番さんの笑顔でピースの写真 と小さい文字で門番認可と入っていた。
悪趣味と思いながらもバッチを胸につけ、滑り降りた。
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