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2007/04/24(火)
柳の木
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柳の木の下には幽霊がいる。 誰が言い出したのか、わからない。 最初は、ただの見まちがいだったかもしれない。 生きている人だったかもしれない。
おじさん、何で毎日この川を見つめてるの? 40代ぐらいの男性は、驚いた顔で振り返った。おじさんと言われた事に少し衝撃を受けたようだ。 私、孔美。 この川好きなんだ。 この柳の木も綺麗だよね。 葉っぱの風になびく様子とか。 私も毎日来ちゃう。 で、おじさんは何を見てるの? 人を見てるのだよ。 最近の人は、忙しく通り過ぎるだけで、私に話かけるのは、君ぐらいだ。もっと、ゆっくり時間を味わえばいいのにと思うよ。
次の日、川をコンクリートで固める工事とかで、大好きな柳の木は何処かへ移動された。 それ以来、あのおじさんにも会ってない。
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