緋色の徒然日記
BL大好き(笑)腐女子緋色のブログ
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2014/06/21(土) 雨上がりの後 4
ちまちまとここで更新してます。今日は4話を更新。
ちなみにここ覗いてくれてる方いるのかなあ。
今一つよくわからない日記ですが(汗)

時間があったらサイトにも更新します。

※くどいようですが、以下はボーイズラブ要素を多分に含みます。
ご注意を・・・。1話〜3話を読んでいない方はそちらからお願いします。CPアキラ×ヒカル オガヒカ





RAIN
雨あがりの後 4

外に出ると、つめたい感触がまとわりつく。

「雨・・?」

霧雨のようだった。
今日は雨の予報なんてなかったはずだが
山の中だから、天候も変わりやすいのだろう。

一端躊躇したものの、この程度なら大丈夫だろうと歩き始める。
行くあてなんてないのに足は勝手に進んで行く。

外套の灯りも心細い道を歩き始めると、前から傘をさし、
同じように歩いてくる人の影に歩みが自然に止まった。

近づくにつれ、誰かと良く似た風貌に胸が高鳴る。
顔を見た瞬間射抜かれた気がした。
相手もオレの顔を認識するなり、目を大きく開けた。

「塔矢・・・なんでここに?」

「君こそ、あんなメールを送ってくるから」

「あんなメール?オレは送って・・・」

『ない』という言葉は口内に消えた。
たぶん、いや十中八九緒方の仕業だ。
昼休憩の時に携帯を置き忘れた時だろう。

「それより君はこんな時間にどこに?」

「いや、目的は特にないんだど」

「この雨なのに?」

塔矢には完全に不審に思われただろう。

なんってタイミングなんだ・・・と思う。
自分を制さなければ、崩れてしまいそうだった。

塔矢がオレを小さな折りたたみ傘に入れる。

「お前が濡れるだろう」

「いいよ、濡れても」

オレがそのまま歩き出すと、塔矢も歩き出す。
塔矢は元来た道を帰ることになったが何も言わなかった。


「お前さ、今晩どうするんだ」

「宿を取ってる」

「宿?オレがホテルに聞いた時は部屋いっぱいだって言ってたけど」

「イベントで使ってる宿じゃないよ。ここに来る途中
列車の中で空室を探して、予約したんだ。
こっちにはさっき着いたばかりだ」

「お前も忙しいのにな、悪かったな」

オレの所業ではないが、それでも今は塔矢に会えたことに
どうしようもなく安堵してる。
緒方はどういうつもりかわからないが。

「いいよ、僕も君に会えた」

口調からオレに会えなくてもここに来るつもりだったのだろうと
思う。

お互いに言葉が無くなり、傘にかかる霧雨の音だけがサッーと音を
たてる。
『今晩オレを泊めてくれないか』と口にできず、唇を噛むと
塔矢が傘を持つ手を右に代え、オレの右手を握った。
体温を失った指が温かさを纏う。

それだけの事なのに顔が熱くなり、心臓が早くなる。

中坊の初恋じゃあるまいし・・。と自身に叱咤したが、
感情をコントロールすることなんて、出来るはずない。


「アキラ・・・。今日オレお前の部屋泊まってもいいか?」

握られた手が返事の代わりに絡められる。
心臓が止まってしまいそうだと思った。


※続きは23日の予定。またここに更新になるかもです。


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