緋色の徒然日記
BL大好き(笑)腐女子緋色のブログ
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2014/06/23(月) 雨上がりの後 5
雨上がりの後5話目更新です。
読み返すと「塔矢」だったり「アキラ」だったり・・・。
サイトに移す時、何とかします(汗)

今日は少し時間があるので、編集してサイトにもUPします。
でも先行はブログで。


※RAINの番外編です。はじめて読まれる方は1話から進んでください〜。



雨上がりの後 5


塔矢が取っていたホテルはビジネスホテルだった。
塔矢がキーをかざすとエントランスが開く。
夜も遅いためか人もおらずそのまま部屋へと上がる。


「ツインを取っておいてよかった」

「ごめん、オレ今財布も携帯も持ってないんだ」

「見たらわかるよ」

アキラが目を移したのはオレの足元だった。
ホテルから借りてきたサンダルにオレは言い訳を巡らせた。

「これは、その・・。」

塔矢が溜息を吐いた。

「雨で濡れただろう。風呂は?」

「オレはいいよ」

「そう、じゃあ僕が使わせてもらうよ」

何気ない会話だ。けれどその中にピリリと緊張が張り詰める。
塔矢は備え付けの寝巻を持ってバスルームへと消えて行った。
オレはふっと長い溜息を洩らした。

塔矢が出てくるころにはオレもホテルの寝巻に着替えていた。
流石に着ていたジャージは雨で濡れていてそのまま就寝
するわけにはいかなかった。

ふと時計を見ると12時を回っていた。
時間の感覚が全くなくなっていた。
塔矢も明日は仕事があるはずだ。
そんな事を考えていると塔矢が部屋に戻ってきた。

「進藤、まだ起きてたの?」

そういう風に言われてしまうと少し傷つく。

「悪いな、お前だって忙しいのに」

オレはもう寝てしまおうと奥のベッドに腰掛ける。

「進藤、何があった?」

「ああ、オレがホテルから出てきたわけか?」

塔矢が言わんとする事はわかるのだが、どう説明したらいいだろうと思い巡らせる。

「緒方先生と、ちょっとな」

誤魔化すわけにはいかないが、露骨な事は言いたくなかった。
けれど塔矢はそれで許してはくれなかった。

「本当に『ちょっと』の事なのか?」

塔矢の口調が強くなる。
オレは言葉に困って布団にごろりと転がった。

「僕とあった時、君は泣いてただろう」

塔矢の怒りのこもった視線が、背中を突き刺す。
『泣いてない』と否定することができなかった。


「寝込みを襲われそうになった。少し・・・触られた。
思いっきり頭突いてやったら。怯んで・・・。
それで飛び出して、お前に会った」

塔矢が背後からベッドに近づく気配に体に緊張が走る。

「ヒカル・・・」

ヒカルと呼ばれたことに心が震えを帯びる。
背後から抱きしめられ、回された腕にオレは
腕を重ねた。

「来てよかった」

「うん、オレお前の顔見たとき・・・。」

その後は言葉にならなかった。
唇が自然に重なり、深くなる。アキラの指がオレの浴衣の紐を
解いて侵入してきた瞬間オレはアキラの手を掴んだ。

「ちょっと待て、ひょっとしてするつもりなのか?」

「嫌なのか?」

「いや、そうじゃないけど・・・。お前今まで
しようとしなかったから」

アキラの腕がオレから離れる。
それに寂しさも覚える。
水を差すような事を言ったかもしれない。

「オレはお前は男を抱けないんじゃないかって思ってたから」

「進藤ヒカルなら抱けるよ」

「だったら何で今まで」

今まで何度も機会はあったのにアキラはしようとはしなかった。
あってもキスか軽いハグ程度だった。

「それは、君があの公園で『一度でいい』と言ったからだ」

「あっ、」

オレは自分が言った事を思いだした。

「あれは・・・その」

「本当に君は1度で満足してしまうんじゃないかって、そう思うと
出来なかったんだ」

アキラがそんなことで悩んでいたことなどオレは全く知らなかった。
むしろオレはアキラが何もしないことに不安を感じていたぐらい
だった。

「なんだ・・・。」

「なんだ、とはなんだ!!」

「悪い、ただオレお前の事何もわかってなかったんだなって思って。
ちょっと安心した」

アキラの腕がオレの背を掴んでオレはその胸に顔を押しつけた。

「もうそんな風には思ってねえから」

「僕が女性と一緒になった方がいいとも、もう思ってない?」

アキラの息が耳元で震える。
アキラは『市川さん』と言わなかったのはオレを気遣ってだろう。

「それはまだ思ってる」

オレが本音を言うとアキラは長い溜息を吐いた。

「君のそういう考え方が僕は許せないんだ」

「だって先の事なんてわかんねえじゃねえか」

「最初から諦めた関係など対局する前から投げているようなものだろう」

本気で怒鳴られて、でもそれが嬉しいと思うのだからオレは
重症なのだろう。

「そうかもしれねえな」

「そうだ」

断言されてオレは泣きたくなる。

「君が欲しい」

『うん』と頷くとオレの瞳から涙が溢れ出す。
塔矢にならオレのすべてをやってもいい。

「愛してる」


※多分・・・は書かないので期待しないでくださいね(苦笑)


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