緋色の徒然日記
BL大好き(笑)腐女子緋色のブログ
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2014/06/27(金) 雨上がりの6
6話目更新です。
6話で終わりませんでした。
以下は1〜5話まで読まれた方だけ進んでください。


雨上がりの後6

浅い眠りだった。

抱きしめられる肌に夢の中でも胸が高鳴る。
ずっと焦がれていた。
こんな風に抱かれたいと思っていた。
夢の中でも夢を見てるようだと思う。

「アキラ・・」

寝言とも、現実ともつかず、名を呼ぶとその腕に力だが
込められる。

本当にこの腕が塔矢のものなのか不安になるこの気持ちさえ
今は一笑できる。
もう少し・・・もう少しこのままで・・。




「ヒカル」

耳元で優しくそうオレを呼ぶアキラの声に満足して布団に顔を押し付けると塔矢が困ったように耳元で笑った。

「すまない、もうそろそろ出ないといけないんだ。」

「そんな時間なのか?」

カーテンの向こうはまだ薄暗がりだった。
先ほどまで傍にいたはずの塔矢はすっかりと身支度を整えていた。

「君はまだ大丈夫だけど僕は東京まで戻らないといけないから」

オレは慌てて起き上がった。全裸だったことに気づき思わず傍に置いてたジャージを掴んだ。頬が染まる。

「ごめん、オレすぐ準備して一緒に出る」

立ち上がるとクラッとしてアキラが支えてくれた。

「大丈夫か?!」

「ああ、平気だって、すぐシャワー浴びてくる。塔矢それよりお前後どれぐらい時間ある?」

「15分ぐらいなら」

「わかった」

ヒカルはジャージを掴むとバスルームに急いだ。



アキラはバスルームに消えて行ったヒカルの姿に魅された。
昨日彼を抱いてわかったことだが、ヒカルは思っていた以上に
華奢だった。

そしてその体には昨夜アキラがつけた痕が所どころ散らばっていた。
思わず目をそらしたが脳裏に焼き付く。
それと同時に緒方に対する激しい怒りとも嫉妬とも言えない感情が湧きあがっていた。

5分としない間にシャワーから出てきた進藤はすでにジャージを
着ていた。

「髪がまだ濡れてるけど」

「すぐ乾くさ」

一瞬目があって、恥ずかしさから逸らした顔が染まっていた。
軽く抱きあい、キスを交わすとますますヒカルの頬が染まる。

「塔矢もう出ないと」

進藤が塔矢と呼んだのは急かすためだろう。
でももう一時とばかりにアキラはその唇を貪った。
腕の中の体が少しぶれる。

「進藤本当に大丈夫なのか?」

「心配症だな、体の事なら大丈夫だって、朝はいつもこうなんだ」

「体の事だけじゃない。緒方さんの事もだ」

「ああ・・」

ヒカルは納得したように頷いた。

「流石にこんな朝ぱらからどうこうしやしねえよ。
それに昨夜は先生酔っぱらっていたし」

「だから性質が悪いんじゃないか」

そう漏らしアキラは溜息を洩らした。

「心配するなよ。昨夜だって大丈夫だったろ?」

アキラは心の片隅でそれでも不安を感じながらこれ以上は
タイムリミットなので諦める。

エレベーターに二人で乗り込むとヒカルが面むろにアキラの腕を引いた。
催促されて軽いキスを交わす。
こういう進藤の変化に内心驚きも感じてる。
昨夜の進藤もそうだった。従順で素直だった。

自身の想いを認めなかったころとは大違いだ。

けれどそれは今までずっと我慢してきた反動でもあるのだろう。
もし緒方に対してもこんな態度を取っていたのだとしたら・・・。

アキラは再び湧き上がった怒りにも似た感情の矛先をどこに向けることもできなかった。

それは「お互い様」で決して口にしてはならないのだろう。


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