緋色の徒然日記
BL大好き(笑)腐女子緋色のブログ
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2016/10/15(土) モノトーンチェック6話(最終話)
モノトーンチェック最終話です ちまちまブログで更新してきたモノトーンチェックも最終話になりました。ここまで足を運んでくださった皆さんありがとうございました!!

ヒカルの碁 パラレル小説 CPアキラ×ヒカル
本編「モノトーン」はサイトに完結済み


モノトーンチェック6話

まもなく夜が明けるだろう。
素肌を抱くアキラの腕の力がまた強くなり、ヒカルも返す。

もう少し、もう少しと。無意識近く時計を遠ざけていた。



『コホン』と咳払いしたのはアキラでなく、その主に思い当たりがありすぎて、ヒカルは振り返るよう飛び起きた。


暗がりの寝室の入り口にまるで『見てませんよ』というように背を向けた佐為がいた。

そんな態度が余計にあからさまでヒカルは顔がかっと赤くなった。

『佐為・・・!!』

「ヒカルどうかした?」

アキラに呼びかけられ、佐為がわずかに揺れた。

「マネージャーさんから何度も電話ありました。もうすぐ着ます」

佐為はそれだけ言うと壁をすり抜けていった。
顔を見せなかったが、その声は少しほっとしたようにも聞こえた。

「ヒカル?」

心配して起きあがったアキラが隣になり、わずかに触れた肩にそれだけで震えた。

「ごめん、オレもう戻らねえと」

「そう」

名残惜しさに動けなくなった瞬間、アキラがヒカルに覆いかぶさるように唇を奪った。


もう1度ベッドに押し込まれる。抗うことなどできなかった。まっすぐに向かってくるアキラの想いを受け止めることが出来るのもまたヒカルだけなのだから。


「オレまた何年もかかるかも知れねえけど、お前のところに行く。何度だって挑戦してやる」

「ああ、待ってる。僕もずっと高みを目指して」

ヒカルはアキラとの距離を取ると、踏ん切りをつけ身支度を整えた。
そうしてすっかりと整えカラカラ笑った。

「あの日と逆だな」

『何が?』と言いたげなアキラを振り返る。

「モノトーンの撮影最終日、オレがお前に置いて行かれる方だった。お前に心の中で
ずっと行くな、って叫んだけど、今は違うぜ」

ヒカルはいたずらっぽく笑う。

「お前に勝ってもう1度モノトーンやるんだ」

「そう簡単に僕に勝てるわけないだろう」

「やってやるさ」

「君は・・・」

何か言いかけたアキラが口をつぐんだ。アキラの探しあぐねた言葉は言葉にならず
変わりに抱きしめられ、キスを交わした。

見送るより、やっぱり見送られる方がいい。
踏ん切りをつけてアキラの部屋を出た所に佐為がやっぱり背を向け佇んでいた。

「お前な」

『すみません』

「別に構わねえよ」

『私も少しほっとしました』

「何が?」

『よかったですね、ヒカル』

「何言ってんだよ」

ヒカルは顔が真っ赤になるのを感じながら、触れられない佐為の肩をガシガシ叩く。
そうして、照れ笑いを浮かべ言った。

「また稽古つけてくれよ」

『もちろんです』

ようやく顔を見せた佐為の顔もこれ以上ない笑顔だった。


おわり

ここまで読んでくださってありがとうございました!!
モノトーンはもう1話そのうち番外編書きたいと思ってますが、それはまたいずれかにして、今月末から新しい連載を出来たらと思ってます。

2016/10/05(水) モノトーンチェック5話目
2週間以上も更新が開いてしまってすみません<m(__)m>
スランプ気味です<m(__)m>
来週には完結させたいです。そして10月中には新連載開始したいですが。とりあえずできたところまで日記に貼り付けます。

以下はヒカルの碁パラレル小説 
本編「モノトーン」はサイトで完結済み。CPアキラ×ヒカル

モノトーンチェック5話

2時間近く他愛ない話をして、もう何年も会ってなかったという時間さえ
飛び越えてしまったようだった。
気づくと日を越し1時も回っていた。
時計に目をやり、ヒカルはため息を吐いた。

「あっという間だな。部屋戻りたくねえな」

一瞬目があったアキラが困ったように視線を反らした。
『まずかったな』と思ったのは言ってしまった後だった。

「へんな事言ってごめん」

謝罪の言葉はやたら空回りしている気がした。
時間を見てもそろそろお暇しないといけないだろうが、
口に出来ず時計の針が過ぎる。

一瞬の戸惑いを感じたあとアキラが立ち上がり、ヒカルの横、肩が当たるほど
近くに腰かけた。
そのまま肩を抱かれる。優しい腕に安堵を感じたのはここにいてもいいのだと感じたから。
そしてアキラの想いがあの日のまま変わっていないのだろう事だ。


「お前ひょっとしてまだオレの事・・・」

「君はどうなんだ?」

声とともに吐息を頬に感じ、かっと熱くなる。
肩のアキラの腕の力が籠もる。

「そんなの一言で言えるか」

言ってしまった後、自分が不器用すぎて、苦笑すると肩を抱いていたアキラの腕が
緩む。

「どうして笑って?」

「いや、オレほんと正直じゃねえなって、
アキラが遠くてさ、すげえ遠くて、必死だったんだ。けど今こんなに感じてる」

ヒカルは離れたアキラの胸にトンっと自ら顔を預けてしなだれた。

「僕もだな、変わっていく君が僕の知らない君のようで、遠かった」

肩でなくアキラに力強く抱きしめられ、ヒカルもまたその背に腕を回す。


ソファで抱きあい、キスの応酬すれば時折り飲み込まれそうになる。
けれど、アキラもヒカルもそれ以上を望まなかったのは、今までの長い想いが
あったからだと思う。

「ごめん、オレもういっぱいかも」

「僕もだ」

お互い顔を見合わせ笑った。

「ベッド行こうぜ」

「誘ってるの?」

「まあ、それもいいけどさ、疲れて寝ちまうかも」

アキラに言ってはなかったが、明日は早朝から移動だった。アキラはわからないが
長い対局の後なのだ。疲れは当然あるはずだ。

広いベッドに二人転がる。背後から抱き寄せられた腕は優しくて、心地よくて眠くなる。


「ヒカル愛してる」

アキラはそう言ったあと、「失言だったな」と呟いた。
ヒカルは『何が』と思って振り向いた。

「言葉にすると今までの君への想いが、安っぽくなった気がした」

ヒカルはなるほど、と苦笑した。

「やっぱ一言じゃいえねえだろ?」

ヒカルの言葉にアキラは頷いた。

「そうだな、オレはもし世界が終わる日がきたら、最後の日はお前と一緒がいいな
・・・ってオレも安っぽい台詞だったな」

ヒカルがまもなく撮影に入る映画『ひとめあなたに』。台本を読んだばかりであったからかも
しれないが、そう思ったのは事実だった。

アキラの腕の力が強くなる。

『次会えるのはいつになるのだろう』

こんなに傍にいるのに、またアキラの存在が遠のいた気がして背を抱き返す。
ヒカルは束の間の夢の中、アキラに抱かれた。


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