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2016/08/24(水)
短編になる予定モノトーンチェック2話
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本当に暑くて、そして忙しい夏でした!! そんな子供たちの夏休みも今日で終わり(大学生はまだまだあるようですが)そして私には夏休みなんてものはなかった!!(涙)1日キャンプの主催をするため頂いたお休みだけ。。
気を取り直して、今日ようやくの公休だったので、お話しの続きを書きました。ここは下書き状態なので完結したら書き直ししてHPに持っていきますね<m(__)m>
以下 ヒカルの碁 パラレル小説(短編の予定)CPアキラ×ヒカル
「モノトーンチェック2話」
会場に入りヒカルがすぐ視線を反らしたのは入り口にいたのが芦原だったためだ。 久しぶりだったので、きちんと挨拶を交わしたい気持ちもあったが、ここでスパークルの「ヒカル」だと周知されるわけにはいかなかった。 佐為はそんな事お構いなく、芦原に嬉しそうに話しかけてる。 もちろん相手に伝わるわけではないのだが。少しでも芦原が何か感じてくれたらいいなとヒカルは思う。
受付で手渡されたものを無意識近く受け取り、人のいない奥の一番端に腰を下ろす。 大盤解説の会場には思った以上に人がいた。
「ヒカルもっと前に行きましょうよ」
佐為に背中を突かれたがヒカルは顔を横に振った。 ジェスチャーで『お前は前に行ってきていいぜ』と伝えると佐為はさっさと前に行ってしまう。こういう時お化けはいいのだか、悪いのだかだ。
腰を据えて配布されたものに目を移すと、それは第3戦までの 名人戦の棋譜と、昨日からの第4戦の打掛けの棋譜だった。それをざっと追い解説を見ながら書き足していくのだろう。
ヒカルがペンを探していると、芦原がヒカルに声を掛けた。
「書くものはありますか?」
『・・・』
返事に困ったのは会話すればヒカルだとバレるかもしれないからだった。
「進藤君だよね?」
芦原に顔を覗きこまれヒカルはその瞬間顔が真っ赤になる。会話よりもなにも芦原には当にバレていたようだった。
「芦原先生・・・そのすみません」
小声で人差し指を立てると『わかってるよ』というように芦原が頷いた。
「ここじゃゆっくり観戦できないだろう。記者室や、関係者室に案内しようか?」
「いや、でもオレ関係者じゃねえし」
「君は十分関係者だよ」
ヒカルはわずかに首を横に振った。
「アマ名人だし、アキラくんの友達だし、それに囲碁界への貢献度も多大じゃないか」
赤くなった顔がますます赤くなった気がした。
「そういうので、入るのはちょっと、それに今戦ってるアキラはそんなの望んでないと思う」
芦原は少し驚いたようだった。 もし、アキラが負けるようなことがあればそんな姿はオレには一番見られたくない気がしたのだ。 アキラが負けるなんて想像できなかったが、それでも負ける事もあることを知ってる。
「ごめん、出過ぎたことを言って」
「あ、いえ、オレここであいつの事応援してるから」
「今日このホテルなの?」
「はい、仕事でこっち来てて」
「そっか、偶然だったんだね」
そんな会話をした後、芦原は仕事に戻っていった。 ひょっとしてアキラに『ヒカルがここにいることを伝えてくれるのではないか』と淡い期待をした自身を叱咤する。 棋譜にはアキラの戦った軌跡がある。今アキラは必死で戦っているのに、不謹慎のように思えたのだ。
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