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2005/06/09(木)
考えへるヒント
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小林秀雄氏の恐らくもっとも著名な作品の一つに、 「考えへるヒント」がある。 ふと、yahoo newsを見てその内容を思い出した。 そのnewsの内容は、「味見ロボット」なるものの記事であった。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050609-00000022-bcn-sci
「考えへるヒント」の初版は多分、1950〜60年代であろうから、もう40年も前のこと。そこに登場したのは将棋を指すロボット(コンピュータ?)であった。今となっては人間顔負けの将棋ロボでも、当時はまだ名人級の人間には適わぬレベルであったらしいが。
小林氏は未来を見通せる「神様」通しが将棋を指したら、という仮定を立てて、友人(だったかな?)の哲学者だったか、数学者だったかを交えて真剣に思考するのである。
専門家との問答の結果、彼は「機械に創造はできぬ」という常識――精密、かつ人間のように思考する(ようにみえる)機械を前にして、一瞬疑ってしまった自分の「常識」――を改めて提示したのであった。
機械の精度が上がれば上がるほど、こういう錯覚に陥りやすい・・・我々は機械の(コンピュータの)能力を過信しすぎてはいないか? コンピュータとは、所詮処理能力の膨大な計算機に過ぎない。
彼は40年前に既に現代人の創造性について、皮肉な言を述べているけれども・・・人間は次第に機械に近くなっていっているのではなかろうか、とふと思う。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%CE%D3%BD%A8%CD%BA
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