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2011/11/05(土)
623 福芋
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遠くから、プップク プップ んプップー 空っとぼけた汽笛が聞こえる。
お約束の焼き芋屋さんの登場だ。竿燈時期に現れたウオーターメロンマンのオフの仕事なのだ。
本人には聞きそびれたが、メロンマンと長い付き合いの床屋さんのお姉さんが教えてくれた。
床屋さんには今シーズンの口開けのサービス。私にはなし。 こちらから挨拶代わりに買いに行った。
うだつを上げるのが目標のお兄さん。スイカの稼ぎを聞くと、「遅く始まって、早く終わってしまった」。それ以上の質問は遠慮した。
「写真を撮るんだった俺も入れてくれ」とひょうきんさは相変わらず。3日がかりで焼き芋装置をしつらえた荷台。それを覆うビニールシートにペンキで書かれた福芋の文字は生乾き。いかにも急造だ。
「長い間、営業するに限る」 少しでもスイカの埋め合わせしようと、 大急ぎで焼き芋営業をスタートさせたのか……
東京時代、汽笛を鳴らして焼き芋のリヤカーを引くおじさんは、秋田からの出稼ぎだった。空っ風が肌を刺す真冬のイメージなのだが……
少しフライング気味に思えなくもない。でも彼はツボを心得ている。 プップク プップ…… と、人を食った音色は食欲を刺激するのだ。
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