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2012/06/13(水)
844 オージービーフ
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呑ん兵衛は実にいじましい。理由にならないような理由をつけては呑もうとする。昨夜は休肝日の流れだったが、逆流させた理由はサッカーW杯最終予選。
口を開けたイエローテールの赤ワインがある。もちろん豪州産。そうすると主菜はおのずと決まる。豪州の地図の形とはいかないまでもオージービーフしかない。 かくして対戦相手のオーストラリアを呑んで、食ってやろうとTV桟敷に陣取った。
最後のワンプレー。今まさに打ち放たれた無回転シュートが、ネットを揺らす瞬間を見逃すまいと固唾を呑んで凝視していると…… 何たるカタストロフィー……
アウェーのスタジアムの空気は、窮地に追い込まれた者の息苦しさから、一気に桎梏が取り払われて安堵の呼吸に戻ったというか、北朝鮮のマスゲームのごとく表情が暗から明に激変したのが見て取れた。TV桟敷では真逆でしたが……
解説者は「これがW杯の最終予選なんですよ」と、言っていた。その後の監督、当の選手のインタビューでは、笛に対する批判めいた言葉はなかった。ピッチに立つ者は、すべてを呑み込んでプレーをしているのだと、あらためて思った。
打たせたかった…… の思いは残ったが、潔いインタビューを聞いて、 できることの最良の結果を出したのだろう…… と。 ホーム戦では、もっと美味しく、ワインを干し、オージービーフを平らげたい。
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