|
2014/05/20(火)
1550 殺人木
|
|
|
紫が鮮やか。まるで木全体が藤色に包まれている感じ。
見た目は大層きれいで、癒される。 でも、宿主のニセアカシアにとっては癒されるどころか苦痛でしかないのだ。
フジの蔓が宿主の幹をコルセットのように締め上げ、次第に生長する幹に食い込み、終いには宿主を絞め殺すのだ。
林業者にとっては殺人木。よく手入れされた山には存在しないはずなのだ。
山岳コースのゴルフ場を取り囲む山々で、時々フジの鮮やかな紫色を見かけることがある。目を楽しませてくれるが、実はそこは植物同士の暗闘がある訳で、複雑な気にさせられる。
今はどうか知らないが、山菜採りは山に入らせてもらった返礼に、フジなどの蔓を切るのがルールだったそうだ。そこには昔ながらの山菜採りも入らず、林業者にも投げられた山なのか……
畑への通路を挟んだ隣家の庭は、少なくとも十数年間は手入れがない。木々は伸び放題。ニセアカシアとフジは今まさに生き残りをかけた戦いを継続中だ。
鉈での決着は簡単でしょうが、自然の決着を待ちたいものだと。
|
|
|
|