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2014/05/22(木)
1552 焼き豚
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ラーメン初体験は、学生服を買った折とかにデパートの大食堂で母親と食べたか、あるいは中学校の部活の後で食った近所のおでん屋さんのラーメンか……
昭和30年代。ラーメンのトッピングは、お約束の焼き豚(チャーシュー)、ナルト、ホウレンソウ、ノリ、時には麩とかが入っていた。
納得がいかなかったのは肉色とは程遠い灰色の焼き豚。見るからにまずそうで汁っ気もなくボソボソ。味もなく硬い。原料は豚の三枚肉で時間を掛けて煮たものだというが、あえて手間暇かけて肉の味をまずくしているとしか……
日本の食べ物によくある様式美とでもいうのでしょうか。私らの少年時代はボソボソのおいしくない焼き豚が定番の時代であったような……
40年代からの青年時代。アルバイト先の西新宿で遭遇したトマトラーメンの焼き豚の衝撃は絶大だ。豚肉のブロックをしっかりした味に仕上げ、テニスボール大に乱切りした塊を中華包丁の背で叩いて刃ですくい上げ、ゆで上がった麺に。
濃厚な味と、とろけるような食感が絶品だった。それからだいぶ経ってから、全国展開のラーメン店でもとろけるような焼き豚が増えてきたような。
これは女房手作りの焼き豚。インスタント麺だが焼き豚が入るとさすが様式美。 味は無味乾燥な少年時代の味ではなく、青年時代に近いかと。
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