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2014/09/01(月)
1653 塵取り
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出社して最初の仕事は塵取りと箒を手に、店前や脇の側溝を掃除すること。 朝、恒例の掃除をしていると背後から「素晴らしい」と声が掛かった。 「通町、大町を良く通るが、こんな光景は見たことがなかった」と絶賛してくれた。
「店前を掃く姿をあまり見たことがなかったので、不思議に思っていた」などと、調子を合わせたりするものだから、しばし男同士としては珍しい立ち話を。
彼は年長。街づくり実践者で指導的な立場の方らしく、一家言を持ったお方。 「街づくりの理念、理想、計画の前に一からやるべきことがある。各々の店先をきれいにすること」と。私は「古き良き昭和の光景になってしまった」と応じていた。
時代劇の店先で、奉公人が掃除や打ち水をする光景が江戸の風景として印象付けられてきた。そのせいもあるのかもしれない。
その当時は舗装道路もなく道幅もそれほどでもない。道路の所有権がどうなっていたかは分からないが、店先の道路は、店の延長のような意識だったのだろう。 ぬかるんだりゴミが散乱しては店の恥というような……
昨今、道は公になり拡張され舗装路に。道路は私でなく公というイメージ。 奉公人が会社員に格上げされ、前掛け姿で店先の掃除などとんでもない、と。
掃き目のある道は気持ちがいい。共通認識としてよみがえればいいのだが……
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