|
2007/03/18(日)
考古学者??
|
|
|
ここしばらくいらいらしていて、久しぶりに1人車で遠出した。コンスタンツに時速約120キロですっとばして1時間半、行き先はインディアナ州北部、ミシガン湖畔のインディアナ砂丘である。国立公園になっているのだけど、そこにジュン・フジタの別荘があったのである。こんもりと木々が茂るだろう(今は、まだ裸木群だが)道なき森の中を1人歩き回って(ああ、ここで迷ったら帰れなくなるなあ、人に出会ったら逃亡殺人鬼かも、とどきどきもしていたー笑)、無事に深い森の中に敷地跡を見つけた。八角形のモダンなガラス張りの家が建っていたらしい。それも基礎の部分は小さくして、上に載せた居住部分が宙に浮く?ような形になっていたらしい。。ああ、フジタさん、あんたはなんと贅沢な生活をしていたのだろう。。2年前に家は国立公園局によって取り壊されたが、跡地はどことなく八角形になっていた。そして、深く積み重なった枯葉の下から、あちこちで紫や白や黄色の野草の群生が咲きみだれていた。アート・インスティチュートに残されていたフジタの写真の世界である。フジタのまねごとをして、私も写真にとってみたけれど、ポケットカメラではねえ。。。(笑)そして何よりも、胸を突かれるような思いをしたのは、庭の一角に竹林を見つけたことである。英語世界で大活躍したフジタだが、やはり心のどこかで日本の風情を忘れられなかったのか。竹林の前に、壊れた食器片がいっぱい埋まっていた。台所だったのかも。。漢字の書かれた食器の一部でも出てこないか、としばらく考古学者をきどって土をほじくってみた。。(笑)ああ、こんな静かな静かな森の中でゆったりと、何の心配事もなく暮らせたらなあ。。そして、森から歩ける距離に広大な砂丘と海のようなミシガン湖が広がっている。久しぶりに波の音を聞きながら、波打ち際を歩いた。石を拾った。身体のどこかで、ほっと安堵の声を聞いた。毎日神戸は須磨海岸を見て育った人間には至福の時間だった。また今度は、初夏の一日に訪ねてみよう。フジタがだんだん近くなってくる。。。
|
|
|