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2007/04/27(金)
明治男と城山三郎
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また素敵な人に出会ってしまった。(笑)ぷらぷら新聞を読んでいると、宮川益治という人。1896年にアメリカに来て、アジア系で全米初めてで弁護士になった人とか。どうやらイリノイにも来て、大学で教えたりしているのである。日露戦争処理にもいろいろ奔走した人らしい。。ふ〜〜〜ん、と感嘆。最近は、ジュン・フジタもどうやらいい家柄出身のような気がしてきている。彼らはどこかスケールが違うのである。どうしてスケールの違う移民のことがこれまで黙殺?されてきたのか。。移民というと、移民学会誌にもあったように、どうして「成功」か「悲惨」の物語となるのだろうか。「悲惨」のイメージを植えつけたのは永井荷風の責任である。(笑)お金には苦労しないどっかのおぼっちゃんがふらふらとアメリカに遊びに来て、白人女をめでながら、懸命に生きてる同胞ー労働者階級ーを「馬鹿」にしてー哀れみながらー書いた「アメリカ物語」。しょせん荷風は日本に帰ったではないか。日本に帰らずに、このアメリカでほんとの意味で「成功」した人々がいるのにあまり知られていない。残念なことである。たぶん、在日と在外の人間のあいだで、「成功」の意味が違うのだろう。どんな人間が「成功」のほんとの意味に値するのか。。と考えていたら、故城山三郎の特集番組を見た。軍隊で、馬鹿な上官の命令ーつまり組織ーに”殺され”そうになった経験から、人に必要なのは哲学、気骨、美学、権威にこびない、擦り寄らない、少数派になることを恐れない、ヒーローではなく、普通の人に気持ちを沿わせる、といった、組織につぶされない小さな個人の生き様と、リーダーの在り方を小説にしたとか。一度も読んだことはないけれど、ああ、これこそが私がいつも感じ、考えてきたことではないか。そして、ここで出会う明治男にも、私は”城山三郎”を感じるのである。日本史を知らないが、軍国主義が日本を凌駕してしまう前の時代に、日本には「美しい」ものがあったのでは。。「美しく」生きる、その美学と気骨があればアメリカ人に勝てるー日々、職場で実感していることである。英語が自由に繰れないのだから、勝つためのただ一つの武器は、人としての「美」である。「美」には、社会文化風土、時代を超えられる普遍性がある。そして、それは異文化社会の人間にも通じるのである。
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