〜ing〜アメリカつれづれ日記
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2011/09/17(土) 乙武氏への抗議状2
過去6年間、背の高い女性たちとの連帯を模索してきて、私が学んだことは、社会と向き合うには、内向きと外向きという二つの方向性をもつ活動があること、そしてどんなことがあっても、"差別や偏見をなくそうというスタンス"を見失ってはいけないということです。なぜなら、そのスタンスには、人間としてのintegrityとdignityが賭されているからです。手持ちの英和辞典は、integrityとdignityを、高潔、誠実、威厳などと訳していますが、私自身は、日本語には、これらの英語の意味をぴたりと表現する言葉はないのでは、ぐらいに思っています。それは、人間を人間存在たらしめる根源的な価値です。人間なら絶対に失ってはいけない価値であり、その価値の獲得のため戦う、つまり自分が人間らしく生きるために戦うのは、人間としての社会的義務ぐらいに私は考えています。乙武氏が主張する「障害をネタにハハッと笑える社会こそが、真のバリアフリー」(56ページ)といったコンセプトこそ、人間のintegrityとdignityを凝視・追求しない、能天気な日本社会を象徴するものではないでしょうか。

背の高い女性たちも、ただ一度の人生を謳歌するために、人それぞれ多種多様な"処世術"を駆使して生きています。たとえば、自分はモデルになれる体型なんだと言い聞かせて、他人からの暴言を聞き流すとか、背の高い女性が好きな男性もたくさんいるという現実を知って安心するとか、その他もろもろ、差別と偏見に満ちた社会の厳しい現実に目をつぶり、自分で自分を必死で受け入れるためにさまざまな個人的戦略を練って、日々を過ごしています。生き抜くためのどんな"処世術"も誰にも批判はできません。
 が、明確に理解されねばならないのは、"処世術"とはあくまでも、当事者が仲間同士でなぐさめあい、力をつけあい、そして社会の現実に立ち向かっていくエネルギーを獲得するための"心のよりどころ"を提供してくれるに過ぎないということです。それが、記事の中で紹介されているような、肌やら薄い髪、脳性マヒといった、"一般的にはマイナスとされる身体的特徴をネタに笑いを取る"(55ページ)当事者お笑いコンビの笑いでしょう。当事者同士が 内向きに"傷をなめあい"、"泣き笑い"を通して互いを励ましあうことは誰にも止められないし、当事者にとって必要なことです。
 が、そんな内向きの笑いを、外部の非当事者が当事者同様に分かち合えるものでしょうか。分かちあわねばならないものでしょうか。自嘲をえげつなく、痛々しく感じる当事者も非当事者もいるのではないでしょうか。


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