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2012/08/29(水)
硬骨漢
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気晴らしにドキュメンタリー映画を見てきた。報道写真家福島菊次郎90歳である。久しぶりに、見終わって、ああ、いいものを見た、美しいなあ、私もがんばろうとエネルギーをもらった。私の好きなインパクトのある黒白写真が織り交ぜられていて、気もしが洗われる思いだった。原爆から成田闘争、自衛隊。天皇責任。と反体制を貫いた人である。国に世話になるのは負けることだと、年金・福祉も受けずに、90歳で一人暮らしをしている。食費は1日千円だそうだ。私もがんばるぞ。。(笑)それでも彼は料理をしてたなあ。。すごい。。「日本は嘘ばっかり」と彼も言った。私はやったあ。と思った。(笑)広島は聖地じゃない、平和記念市なんて嘘だ、との言葉を聞いて、ああ、この人大好き、と思った(笑)この人がいう嘘とは、本質を見据えてないという意味だ。その通り、この国と人は、ごまかしという処世術だけで動いてきた。ごまかしができる人間が世渡り上手と称賛されてきた。ふんだ。。(笑)で、福島さんは、もう嘘は写真にとる理由がない、とカメラを置いて、無人島に移住したそうな。私にはそこまでやる勇気はない。だから、売れないライターのまま。。(笑)映画を見て、びっくりしたこと。昭和天皇は、戦争責任を問われて、私は文学を研究していません。だから、そういう言葉のあやはわかりません、と答えたそうな。。おお、天皇も、政治家みたいな言葉のレトリックを学ばされてたんだ。。これって、今、震災関連で、テレビ局にマイクを向けられて、適当に、絆やら勇気やら手伝いたいを平然と並べる人たちの言葉と同じだ。今や、国民1億みんな天皇か!!(笑)硬骨漢の福島さん、映画の最後のほうで、自分のデビューテーマ?となった広島の被爆者の墓の前で泣いた。まだ使命を全うしていない、という思いからだろう。そして、福島に出向き、90歳になっても、かしゃかしゃシャッターを切っていた。思わず笑ってしまった。そういう性分なんだよね、としかいいようがない。理屈ではない、体が動くのである。いつだったか、戦場の報道写真家に、あんたは、境界性なんとかなんとか人格障害のようなもんでしょ、と言ったばっかりに、かれはえらく怒ったが、言葉の定義が何であろうと、もってうまれた体が動かねば仕事にならぬ。福島さんを見習って、私も書き切れるところまで書き切らねば、と思った。そういえば、最近、シリアで亡くなった女性報道写真家の死を悲しむ必要はない。本望だったはずだ。葬儀のニュースで流れた父親は微笑んでいた。同じように硬骨漢でも、仕事がお金になるかならぬかは才能の有無。。。大事なのは、自分が納得のいく人生を送ることー売れない硬骨漢には、それなりの美しい人生があるはずである!!!(笑)
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