|
2014/06/10(火)
いったい
|
|
|
きのうはどんな顔をしていたのだろう。行きつけのベトナム料理店に入って、本が読めるようにと窓際の席をとり、好物の春巻きを食べて、勘定しようと20ドルを出した途端、ガラス窓をどんどんたたく音がした。見ると、大きな黒人が金をくれ、と言っている。げっ、20ドルを出すところを見られたのだ。で、無視していたら、何と店の中に入ってきて、私の横に立って、大きな手を出すではないか。10セントでも5セントでもいい、と私がつり銭をうけとっているのを見て、ごちゃごちゃしつこく言うのだ。その場を離れない。今日は、自分の誕生日だ、とか子供が腹をすかしているとか何とか。聞いていて腹が立ってきて、そんなこと知るかあ、出ていけ、と日本語で毒づいた。動かない。店主が来て、出ていけみたいなことを言うと、なんとか店の外に出たが、今度はドアのところに張り付いている。ああ、いやだ。だんだん怖くなってきた。店主も今は出ていったらだめだ、という。仕方ないから、店主といっしょに、店の一番奥のテーブルに座っていたが、私も次に行くところがあった。どうしよう、警察に電話するしかないな、と思って911へ。電話して、変な男に金をせびられて、店を出られない、と言うと、なんであんたなのか、と聞いてくる。知るかあ、そんなこと。向こうが住所を言え、と言った。住所を言ってもいいか、と店主に聞くと、あ、男がいなくなったと言い出した。こちらが電話しているのを見て、向こうも観念したらしい。でも、隣のビルの物陰で隠れているかも知れない、と私。警察は、住所を言え、とやいのやいの。。結局、店主がいっしょに店を出てくれて、ちょうど道を隔てたところにおいてあった私の車に無事に到着。あああああ。店の中まで入ってきて、金をせびるような薄汚いのはアメリカ生活で初めてだった。で、次に会いに行ったのがシカゴ生活65年という80歳を超えた日本女性。日本語はもう出てこず、英語ばっかり。それだけ苦労して働いてきたということである。どうやらシカゴの金持ち層相手に、服飾の仕事をしていたらしい。シカゴの英語雑誌にも取り上げられたのは事実で、働きづめでシングルマザーを通したというのは信じられた。でも、どこか虚言癖の傾向を感じたので、そうそうに引き上げた。で、今朝、である。さっそく彼女から電話があって、30ドルばかし貸してくれ、という。ああああああ。いったい昨日はどんな顔をしていたのだろう。きのうはそういうエネルギーが回っていたのだろうと心底納得しているが、それにしても、こんなことは人生で初めてである。すぐに大金が入るから、すぐに返せるという。そうですか、アイムソーリーしか言えなかった。japanese are usually very kind と言われて、昔の私なら、i am sorry, i am not kind japanese ぐらい言っただろうけど、年をとってまあるくなったのか、そういうことを言う元気もなくなり、ただただアイムソーリーで、電話を切った。この調子なら、これからもかかってくるかもしれぬ。ただただ話を聞くだけである。そういえば、このあいだ、テレビで、年をとってまあるくなるのは、脳細胞の働きが低下していることだ、とか言ってたなあ。。怒るほうがいいのかも。。彼女のアパートで学んだことー年をとったら庭が必要である。彼女の部屋は22階にあった。非常に人工的で、あそこで一人でいたら、気が狂うと思った。それよりも、毎日土をいじり、いのちに触れているほうがどれほど心が休まるものか。人間が高いタワーを建てたがるのはおごりだと思う。確かに高いものを建てるだけの財力を手に入れたことを誇示したいのだろうが、建てたときが終わりである。ましてや、ホテルやオフィスは、高い部屋ほど高くなるが、それは日常から遊離したいっときのだましの時間である。高いものを見上げるのなら、高ければ高いほど、自分はハンブルになって地に足をつけねばならぬ。高いものは、自分の小ささを自分に納得させるものであり、それだけのオーラをもっていなければならぬ。人間が高いところにあがり、下を見下ろすようになったら終わりである。というわけで、いろいろあったが、学ぶこともあった、で満足せねば。。ああ、疲れた、疲れた。。(笑)
|
|
|