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2019/08/20(火)
時代の言葉
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3週間ほど前から、新しいボランティアの仕事を始めた。高齢者といっしょに時間を過ごす前に、同じところだが、図書館でのボランティアである。日系人が家族の歴史を寄付するが、日本語が書いてあるとわからないので、それが何かを教えてあげてカタログを作るのである。で、この3週間やっているのが古い日本のレコードのカタログである。先週は、海軍の軍楽隊のレコードや陸軍の楽隊のがあったりして、一度聞いてみたいと思いながら、仕事をする。きのうも、いろいろ戦前の歌が出てきて、聞いてみたああい、と唸りながら仕事をした。たとえば「愛国行進曲」−これは日系人の歴史の本を書いたときに知ったので、ぜひ本物を聞いてみたいと思ってきたものだ。それから「講和の歌」というのもあった。講和って、サンフランシスコの講和条約のことだろうか。どんな歌なのだろう。平和平和、これからは夢と希望、新しい日本、いざ前進、みたいな歌なのだろうか。ぜひぜひ聞いてみたい。 で、一番感激したのが、曲名「肉弾三勇士」である。この言葉は、両親が、枕を脇の下に抱えて、ああ、肉弾三勇士みたいやなあ、と言って笑いあっているのを一度だけ見て、初めて知った言葉である。肉弾三勇士って何。どんな歌なのか。ぜひ聞いてみたい。で、カタログ作りだから、日本語の題名と、その下に英語の訳も入れる。肉弾なんて、英語でなんて言うんだろう、と、センターにおいてある和英辞書を引いてみて、びっくり。ちゃんと肉弾という言葉が載っているのである。human bullet こんな言葉を載せている和英辞書って、いつの出版だと、奥付を見て、これまたびっくり。初版が昭和4年、私が調べた辞書は昭和14年発行である。そりゃ、載ってるでしょう。ちなみに、家にある1983年出版の和英辞典にも載っていた(笑)すごい、肉弾って、そんなに日常的な言葉だったのか???スポーツしない人間にはわからない。(笑)で、思ったのである、レコードのタイトルを見ていると、ああ、こうやって国民を洗脳していったんだなあ、というのがよくわかる。今の言葉で言えば、メディアであり、エンタメである。満州に咲く蘭の花がどうのこうの、南国の夜がどうのこうの、そういえば、「見よ、わが鉄腕を」というタイトルのレコードもあった。もしかして、鉄腕アトムはここから来た?(笑)チコちゃんじゃないけれど、ぼおおおおとして、こういう歌を聞いていたら、だんだん戦争賛美のメンタリティができあがり、お国のために、天皇のために、どうのこうので、生きたい、と切望しても、殺されてしまうことになる。歌の力は大きい。それは高齢者たちの様子を見ていたらよくわかることだ。音楽の力はすごい。。。はやり歌は気をつけねばならぬ。(笑)歌は時代をあらわすーピンクレディの歌がはやっていたころの日本が一番のんきで楽天的で、幸せだった時代かも。。。もう遠い昔だ。(悲)
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