〜ing〜アメリカつれづれ日記
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2021/10/28(木) 決心
一難去ってまた一難で、心臓が悪いということになった。スマホみたいな器械を手にもって、胸には小さい四角い箱をつけて、2週間ほど生活した。あとで、手にしているスマホで、自分の心電図?が見られるとの話も聞いたが、誰もそんなことは教えてくれなかった。で、ほんとに悪いんかよ、とずっと抵抗したが、3人の医者に会って、誰も「まあ、そんなに心配するほどのもんではないですよ」と言ってくれず。逆に、10年以内に、脳梗塞を起こす可能性20パーセントとか言われて、そうか、じゃあしゃあないなあ、とか思って、薬局へ行ってクスリをもらってきた。薬の説明書を読んで、なぜ父親が病院へ行こうとはしなかったかがようくわかった。結論から言うと、要するに人生を変えろ、と言ってるのである。薬の一つは、アルコールは避けなさい、という感じである。ええええええ。この薬を一生飲まねばならぬように言われてるのに、じゃあ、これからはもうビールは、ワインは一切飲めないのか、と想像すると、ぞっとしてかなり落ち込んだ。父親は、これを言われるのがいやで、結局病院には一度も行かず、クスリも飲まず、アルコールをやめることもなく、急性心筋梗塞で道で倒れて終わった。毎日の生活の楽しみが奪われるのなら、何のために生きるんだろう、と思ったはずである。32年役所を勤めあげて、妻と子の生活を無事に守りつづけて、これから自分の時間だ、と喜んだこれからに、なんで大好きな酒をやめねばならぬ、そう思ったに違いない。突然死だから、いっしょに暮していた母親にはつらかっただろうが、すでにアメリカに来ていた私は、びっくりしただけだった。今、自分が同じような状況になって、父親の人生をそのまま受け入れられる自分がはっきり見える。震災の前の年だったから、あれから27年。あれでよかったんだよね、好きなように生ききったんだよね。よかったよ。私はどうするか。いったん飲みはじめたら、絶対にやめるな、と書いてある。へたに自己流でやめたりすると、心臓麻痺を起こす可能性が高くなるんだって。副作用は、出血しやすくなって、喀血か吐血か、とにかく口から血を吐くかもしれないんだって。。思い浮かべるのは、ホラー映画の一シーン。(笑)というわけで、クスリを薬局からもらってきても、なかなかのめなかった。そのかわりに、やいのやいの、病院の医者に毎日メールを送った。返事をくれるのはチームの看護師たちである。今、こんな薬を飲んでいるが、併用してもいいのか、水泳はできるのか、云々。で、メールから判断するのに、絶対に酒を飲むな、ではないらしい。医療関係者だから警告は出すけれど、絶対にだめ、とは言わない。薬の副作用も同じ。こういうリスクがある、とは言わねばならないが、起こるかどうかはわからない、むしろまれ、とか。あああああ。父親は、毎日心配しながら生きるのはいやだから、それも酒を減らすから絶ってまで生きるのはいやだったから、医者に行かなかった。私は。。。心配しながら生きるのはいやだから、クスリを飲むことにした。どんな副作用がでるかわからないから、体調に留意せよ、とある。ああああ、めんどくさ。。たぶん、何も起こらないでしょう。(笑)酒も、若いとき、いっぱい飲んだから、ほんとはもうどうでもいいんです。(笑)第一、このごろ飲めなくなってきた。ビール1缶すら飲み終えることができなくなってきたのである。やっぱ、年だあ。。(悲)クスリでコントロールできるときが花だ、みたいなことを医者が言った。そのうち、ガンのように、クスリでコントロールできないものと戦う必要性も出てくるかも、と。そう聞くと、また一つ、大きく年をとった気がする。仕方ないなあ。これだけは誰にも止められない。そして、誰もが通る道である。覚悟を決めること。腹をくくること。さあ、飲むぞ。。(笑)副作用は、頭がふらふらするかもしれないそうで、いっそのこと、寝るまえに飲んでやれ。飲めばいいんでしょ、ふんだっ(笑)


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