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2021/05/05(水)
人間観
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松本清張の対談集を読み終えた。清張曰く、私には友達などいませんよ、人とつきあうと必ず嫌な気持ちになる、最後まで友好関係を保っていけるという人間に会ったことがない。相談相手になってもらえるような友人もいない、とのこと。納得、納得。私に、たかこさんには友達なんかいないでしょ、と言う人はけっこういたと思うが、今度そんなことを言われたら、松本清張にはいませんでした、司馬遼太郎にもいませんでした、って言ってやろう(笑)印税収入で御殿が建つ大作家も、たまにコーヒー代ぐらいの原稿料がもらえることのある売れないライターも、しょせん人間の核のところでは同じなのである。書く人間は、自分が書く世界で自己充足しているから、現実の日常に友達を求めることはあまり必要なく、ましてやいつも”つるむ”必要などないのである。「人間の核」といえば、この5日間、一生懸命日本語テレビが再放送した「白い巨塔」を見ていた。あんな人間ドラマが書ける山崎豊子さんも、友達などいなかったはずである。(笑)清張も人間不信だそうで、山崎豊子もまたそうだったに違いない。でも人間の汚い現実を見据えるからこそ、その向こうに光がさす、希望を見いだすことができるのである。財前五郎の遺書は、それは山崎豊子の人間に対する希望であり、作家たちの優しさでもある。それにひきかえ、「宣言を出させていただきます」と言ってのける政治家のおっさんよ、優しくないねえ。。口先だけでもみ手して、聞く人間が聞きたがるように砂糖をまぶしてはいるけれど、そういう言葉を吐く人間は、しょせん自分の保身か見かけしか考えない底の冷たい人間たちである。それが政治家。。汚いというより弱い。選挙の票とりーつまり人気ーで自分の存在がある仕事だから。政治とは、人間として強い人間がする仕事ではないのではないか。この国のドアホを見てみろ。底なしに弱い人間である。(笑)人が私に言う、変わってるねえ、友達なんかいないでしょ、といった言葉は私の勲章である。堂々とつけてやろう。清張さん、教えてくれてありがとう(笑)人はなぜだか、友達が多いことがいい、正しい、と思っているらしい。だから、コミュニケーションがへただとか、友達がいないとなると、家にひきこもったりするらしい。砂糖まみれの嘘の言葉がはけないからと、なぜ悩まねばならぬ。コミュニケーションがへたでも、友達が少なくてもいい、ありのままの自分をいとおしんで生きろー教育が教えねばならないのはそれだと考えるが、自分自身の経験からいくと、友達がいない、変わっている、と一番に責めるのは学校の教師のような気がする。小さいときから、狭小な人間観をすりこまれているのでは(怒)「白い巨塔」を見ていると、教授にぺこぺこするしかない医者たちの情けなさにうんざりでーたぶん、腹腔鏡で仕事して、患者をいっぱい殺した群馬大学の医者たちのメンタリティも同じだったはずだーますます医者嫌いになるが、アメリカのメディカルカレッジや医療現場も同じような感じなのだろうか。それは知らないけれど、それでも今回の股関節の手術で感謝していることがある。外科医はインド系だった。名前はインド人の名前を残しているが、英語から判断して、アメリカ育ちである。医者を信じない私が、ごちゃごちゃおかしな質問して、堪忍袋が切れそうになってる風でもあったが(笑)、あの手術の朝、5時半に病院に出かけると、受付のおばさんが、先生はもう病院に来てますよ、えええっ、そんなに早く。。私の手術がその日一番だった。今頃、ちゃんと私のレントゲンを見直して、準備してくれてるだろうか、とかまたぶつぶつ思っていたが、手術前、最後のチェックに来て、じゃあ、あとで、みたいなことを医者が言った。私が何をしたか。ベッドの上で、医者に向かって、胸の前で両手をあわせたのである。そう、ちょうど仏壇か、賽銭投げたあとの神社でするみたいに。それを見た外科医が言った、You've got it..安心感がわくと同時に、心から感謝した。かれがアジア系であることに。白人の医者なら、たぶん手をあわせるようなことはしなかっただろう。アメリカの田舎町で、誰もがほめる優秀な外科医に出会えたことは、ほんとにラッキーだったと思う。You've got it..これ以上の安心があるだろうか。その優しさに心から感謝。
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