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2023/09/29(金)
別世界
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週のはじめ、領事館に用があったので、シカゴに出かけていった。少し待ち時間があったので、隣のビルにはいっている高級デパートをのぞいてみた。10年以上ぶりのような気がした。娘がシカゴにいたころ、一度ぐらい行ったことがあったかも。入ってすぐに、おおおお別世界!!!(笑)きらきらぴかぴか。ブランド品が並び、セリーヌというのもあった。おおセリーヌ。リンカーンと話をしたと恥ずかし気もなく本に書いた某宗教団体の創立者が、天国で、セリーヌの店に入りました、と言ってたセリーヌである。信者さんに聞けば、誰でもセリーヌの店に入れるわけではありません、徳を積んだ人だけが入れますって。あっほ。。徳を積まなくても、ほら、今、入ってるじゃん、なんで死んでまで入らなあかんの、と思ったセリーヌ。そういえば、あの創立者、離婚した、とか聞いたなあ。。まだあの宗教団体はあるのだろうか。とにもかくにも、誰でもさわることができるセリーヌのサングラスをかけてみた。460ドルやて、あっほ。ウォールグリーンで買った10ドルのサングラスとどこが違う??? つけてる人の気持ちだけ、である。わたしゃ、セリーヌのサングラスをしてます、と胸をはってみたものの、他人はただ一言、それがなんやねん。。(笑)身体にあわないパンツをはき、汚いTシャツを着て、ズック靴の私に声をかける人なんていないだろう、とふらふらしばらく歩いた。かっこよくきめた黒人男性の店員さんに食いついて、なにやらジュエリーを買っている金髪の白人女性がいた。柔らかそうな革靴をはいて、どう見ても、お金を使うこと以外することがない風情。どうぞ、どうぞ楽しんでくださいませ。(笑)せっかくだからと、セリーヌのバッグを触ってみた。開けようとした開けられない。すぐに、店員さんが飛んできて、こうやって開けます、と教えてくれた。ほおおおおおおと、わざと喜んでみせた。店員さんも笑った。それが普通の人間の感覚。(笑)15分いて、別世界に頭ががんがんしてきたので、外に出た。私がもっている唯一のブランド品ーコーチの財布は20年使って、ゴブラン織りっぽいところもがさがさになり、いよいよブランド品かどうかもわからなくなってきた。それでよし。この財布とともに過ごした時間だけをいとおしむのである。そう思うと、人生に必要なものなんて、ほとんどないに等しい。それをますます実感しているのが、家の中である。今日、リビングとキッチンの物が全部運びだされた。すっからぴんになって、ああ、これが24年前にここに来たときの状態か、と思うと、この四半世紀のあいだに、しょうもないものをわんさか貯めこんだものだなあ、と分かった。床工事が終わったあと、また元に戻すわけだが、今度は戻すものを吟味しよう。もう前と同じ部屋にはしない。過去と同じことを繰り返す必要はない。常に前を向いて、少しずつでも何か新しいことを取り入れ、変化しつづけ、自分の穴にあった別世界をめざし続けるー人生、最後の楽しみ方かもしれぬ。
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