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2009/11/11(水)
あの頃は
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プレゼント個体で用意した頭幅29.6mmのオオクワは明日とある情熱のあるブリーダーさんのところへ旅立つことになりました。メスも頭幅16mmなんてのをつけさせてもらいましたので、次世代の報告を凄く楽しみにして待ってますかな(^^)
ビン交換の結果や羽化結果などの報告を受けてますと、皆さんレベル上がってますね。 80mmクラスの種親を使用した方は80mmぐらいは楽々羽化させている方がいます。 もちろん飼育環境が整っているかたばかりでないので、思うようにいかない方もいるでしょう。 最近は飼育環境も飼育方法も菌糸ビンそれに血統、ある程度のコストと調べる努力をすれば80mm連発、30gアップ連発なんて方も相当増えてきました。凄い時代になったもんです。
ここのところブリードしていて、いろいろと考えさせられることが多いですな。 昔と言ってもたかだか6〜7年前のことですが、私の中で一番変化が大きかった時間のことをちょっとぼやいてみたいと思います。
私がこのような状況になる前の2003年頃ですが、様々な血統を飼育してみて、近くによき友人がいて、松野さんという偉大な師匠もいたおかげで、血統と種親の選別がどれほど結果に違いを及ぼすのか、なんとなく察知していたころでした。 その頃は今のような状況になることを妄想して(笑)日々ブリードしていたものですから、それは目新しいことの連続で、一般ブリーダーの方では80mmを連発させた方はまだ私の知っている限りではいませんでした。 その年にでてきた大型個体を柱に1年寝かしてブリードし翌年の2005年に羽化してきた子供達がギネスとなった83.3mmを始め21頭の80mmアップとなりました。 そこから徐々にサイズを上げて、更に頭幅もでるように作り上げていったのが今の手持ちの久留米血統になっています。 サイズは今でも少しずつですが伸びていってますので、今後も更に大型個体がでてくるでしょうね。それが来春なのか、その先なのかはわかりませんが、時間をかけブリードに専念してサイズをできる限りあげて種親の選別行っていけば、まだ上が目指せるでしょう。おそらく……。
ただ、私の中でここに一つ大きな壁が発生したのも事実です。 変化の多かった時期は血統以外にも温度管理をはじめ、飼育方法に確信的な部分が少なく、手探りでブリードしていました。当然失敗は多く、その中に少しの成功がありました。 まだ未熟な部分がありますが、現在は飼育方法をある程度自分の中で確立できてしまっています。 ヘボなので失敗も未だにしていますが、リカバリー方法も、先の予測もある程度わかってきます。 こうなってくると、どうなるのか?そうなんです、新たな発見の刺激が少なくなってきます。
そこに、現れた救世主がワイルドです。 正直なところ、なかなか大型にならないワイルドにこれだけ魅了されるとは2003年当初は思いもしませんでした。採れることだけで感動があったはもちろんですが、それをブリードしてみると、本当に様々な形の♂が羽化してきます。それに美肌もプラスされることが多いです。 その中でも組み合わせ次第で現在79.5mmと後一歩で80mmというところまできていますが、この血統をブリードしてみると、う〜ん、種親ほど大きくなりそうな個体がいません。まだ途中結果ですが、1個体ぐらいはいいのがでるかもしれませんが、現実はあまくありません。 それ以外の個体に関しては、だいたいが種親と同じぐらいが少し大きくなる程度です。 産地に拘る分、組み合わせの自由がまだ少ないことも原因のひとつだと思います。 それに、大型血統と同様な飼育方法でブリードしていますと、幼虫が大きくなりすぎるという欠点もわかってきました。その先はどうなるのか?答えは簡単ですね。 まだ確信的な部分が少ないのでこれ以上は今度の機会にしたいと思いますが、アタリの種親を見つけるのは相当大変なんだとつくづく思いましたね。
最近は名のある血統が増えてきまして、それぞれ良さがあるとは思いますが、お金の力でそれらばかりを集めれば結果が出るのは、ある程度は当たり前でしょう。 始めはそれも楽しいのですが、結果がでてしまうと飽きもでてきてしまいます。
何が言いたいかといいますと、せっかくこの世界に同じ趣味として飛び込んできた人たちも、3年もすると”がらっと”違う人に変わってしまいます。なんだかそれも寂しいものですな。 大型血統を飼育して大型個体を出すのは面白いですが、血統を作っていくという醍醐味の部分が先のワイルドからの累代個体に比べると少ないです。 大きな遠回りかもしれないのですが、近道をすると飽きも早いと思います。採集から始めるのは相当困難な道になってしまうので、産地に間違いのない本物のオオクワを入手して、オリジナル血統を作っていくのも面白いかもしれません。
かなり長文になりましたが、お付き合いありがとうございました。 こんなこと書くと、友人達につっこまれそうですが(笑)ぼやきですから、多めにみてください。
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