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2014/10/15(水)
最小頭幅記録
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クワ部屋の片づけをしていたら、ふと昨年採った不明幼虫の菌糸ビンが……、放置していたみたい(汗) 開けてびっくりオオクワがいました。
このワイルドオオクワは採集時は頭幅4.2oとかなり小さな頭幅でした。 今までの自己採集オオクワ2令の記録だと確か4.4oぐらいが最小でしたので、0.2oの違いですが普段から頭幅に注意していると、この差はかなり大きく感じます。 採集に行くと同定が重要なスキルになってくるので、冬季の採集やられている方は特に敏感でしょう。
このぐらいだとほとんどがコクワが該当する頭幅になります。オオクワが住んでいる環境にはコクワが多く生息しています。これでもかってほど生息しており、産地にもよりますが100対1いやもっと下回っているかもしれません。頭幅はオオクワ同定の目安にはなるのですが、ワイルドは例外があります。こればっかりは経験してくしかないのですが、これ以外に採れた部位だとか、動きや色なども参考になります。 オオクワは2令の同定が難しいので、未だ完璧だと思えるレベルに到底達していません。
オオクワ採集っていろいろな楽しみ方があると思いますが、幼虫が産地によりどのような環境に住んでいて、どんな材のどんな朽ち方を好むのか、初令と3令などステージにより好みの朽ち方も違いますし、産地により異なる要素もあります。大型が出やすい産地のオオクワとその逆は環境にどのような差があるのか、一見人間には似たような環境であってもオオクワがいるところと居ないところの差はなんであるのか、まだまだありますが、気になりだすときりがありません。 私がこの冬季の採集で目指しているところは数を沢山採る事より、様々な環境に適応できるオオクワガタの生態を知りたい。ここ数年はこれを目標にしています。 なんでいろいろな場所に行っては撃沈が多いです(笑)
ちなみにこの頭幅4.2oの個体は34oで羽化しました。同材から得られた頭幅4.8oの個体は43oでした。体長は9o差ですが体積は2倍差ぐらいあり、明らかに小さな個体として羽化しました。 野外の環境は厳しいですから、その個体が進んでいった材の環境が外気などの影響で大きく変化します。それで大きな差になることはあります。
オオクワを累代するに当たり種親が経験した環境の影響を受けるかというと、そうでもない事実もあります。 福島県で採集した34oの成虫メスから得られた幼虫は翌年羽化してオスは79.5o、メスは50oありました。今までF1個体での最大は80.1oです。2位がこの79.5oになるのですが、F1個体を飼育した数は相当います。大きくても78oになることも稀なF1個体ですので79.5oは相当巨大です。 親の環境が次世代に影響を与えるように思っていたのですが、34oから79.5oが羽化したことで、これも絶対ではないと思い知らされました。人間が簡単に想像できることは、情報として得てしまうと、それがあたかも正解のような感じがします。 でも相手は生き物ですからその情報は絶対でないです。大型血統だけを飼育していくと得られないこと、ワイルドからも十分得られますね。
今日の写真は採集時頭幅4.2oの個体です。たまには横から。
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