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2016/03/22(火)
気がつくかどうかで採れるかどうかが決まる
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別れのシーズン、長女の卒業式に参加してきましたが、泣けた(T_T)心の中でですが……。 新生活が始まるときは忙しくなりますね。連休ありましたが、用事で終わってしまいました。
先日の採集の際にすずなりの綺麗な花(下の写真の花です。)を見つけたのですが、調べたらアセビというらしい。 葉に毒があるので草食動物が多い地域は、この木ばかりが増えると。記憶を遡るとこの花はたくさん咲いて……いなかったな。 こういったことでも、山の生体が少し見えると言う事か。植物も覚えると深い世界ですね。 以前は採集中、こんな余裕はなかったのですが、最近は余裕なのか以前ほど欲がないのか、花や鳥見たりと楽しみが増えている。 あまり余裕だとオオクワなんて採れませんがね。
冬季採集は知識と経験がないと、同じ場所に行っても採れる方とそうで無い方に別れます。この山でオオクワが採れると案内されても簡単には採れません。考えてみれば、オオクワ初令の大きさは小指の爪より小さい、山の中でこの小さな個体を探すには、オオクワのメスがどのような場所に産卵するのかは、経験して知識として取り込むしかないです。 台場クヌギにとらわれれば、他の木を見逃します。オオクワがいる木まで辿り着いているのに採れないんですから、難しいものですね。1回採れるのは偶然もあるのですが、シーズンで何回も採れる方は数少ないです。私の周りの方は、異常な方が多いですがね……。
例えば今シーズンの採集の中で、クヌギの立ち枯れを見つけました。 周りを見渡すと、杉が大量に生えています。でも、クヌギの生えている場所は、この杉から10mほど離れており、日は程よく当たり、杉がちょうど防風になっています。辺りは開けており、近くに樹液場になりそうな木も複数見られた。 メスの産卵にぴったりだと思い、上部から下部を観察すると上部はカワラが入っており、下部はマンネンタケが回っているようだ。こうなれば、まず上部を見るんだが、既に最近来た採集者の痕跡が見えた。その痕跡の裏側は食痕が既に出ている。それは、詰まり具合と太さからオオクワの2令の可能性が高いように見えたので、下へと食痕を追いかけていくと終令に加令し太い食痕に変わり、その先から3令のオオクワが採れた。 先行した採集者は痕跡からオオクワは採れていない。なぜ食痕が出ていたのにも関わらず、オオクワを見逃したのか。 ここで推測になるが、上部はカワラが入っていたので、そこから確認したようだ。でも、確認したのは斜面の上側の上部だけでオオクワの食痕が見えていたのは斜面の下側寄りの上部。上側は手が簡単に届くので、こちらのみ確認したようだ。この確認の際に下側も剥がれ落ちたと思われる。上側は日当たりが良いため、水分が不足しカチカチの状態。この状態だとオオクワだけでなく、虫が入らない。でも、下側の上部は日当たり具合から適度の湿り気でオオクワに適している環境だった。 このちょっとした違いがあることに、木を見たときに気がつくかどうか。これで採れるかどうかが決まる。 これが、何も考えず一番簡単に手が届く下部から確認していたら、3令の食痕が現れた可能性もある。偶然の出会いはこういったパターンも含まれるでしょうね。 同じ採れたでも、狙って採ったのか偶然か。成果は同じでも途中経過は全然違う。オオクワ採集は、考えて採るところに醍醐味がありますな。
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